2017/11/26(日)B☆B'sコラム

【#85】時代

 大変ご無沙汰しております。「B・Bコラム」、実に4年10ヶ月振りの更新でございます。このコラム、まだちゃんと生きてますからね!(笑)
 さて、今回も僕から皆さんへ「伝えたいこと」があってのコラム更新ですが、今回は特に、とても重要なお知らせになります――。

 今日(2017年11月26日)、僕はファンフェスティバルで、僕達の今後について以下のような発表をしました。

  • B・Bはグラウンドでの活動は今シーズンで一区切りとし、来年からは地域貢献をメインの活動の場とする。
  • 2018年は「北海道」が命名されて150年。地域貢献活動への足掛かりとして、来年はその「北海道150年事業」に「みらい大」として関わっていく。
  • フレップは見習いを卒業、正式メンバーとしてマスコットチームに迎え入れる。今後グラウンドではフレップが中心となり、ポリーと共に試合を盛り上げていく。

 ――突然のことで、皆さん驚かれたかもしれません。補足も兼ねて、ここで詳しく説明させてもらいますね。

 僕がファイターズのマスコットとしてデビューして、かれこれ14年。その間に5回のリーグ優勝と2度の日本一を経験させてもらい、日本を代表するような数々のスター選手の活躍する姿を、僕は目の前で見てきました。
 厳しいプロの世界では選手の移り変わりは激しく、北海道初年度の2004年から今も現役のままファイターズに残るのは、田中賢介選手ただ1人だけ。そんな中、僕は出来る限り「変わらない存在」であり続けたいと願い、ここまで走り続けてきました。
 しかし、マスコットとて機械ではありません。時間と共に、様々な変化は嫌でも起きてくる。マスコットの場合、選手とは違って永遠の命を得る「特効薬」があることはあります。但し、それは「記憶」という大きな代償と引き換えになり、そのマスコットに想いを持ってくれるファンの心に大きな傷を残すことになります。ファンは事情を知る術もないまま、その傷をただ受け入れるほかない。僕は今まで、そんな心の傷を経験した他球団マスコットファンの方から、「せめてB・Bだけはそうならないで…」というお手紙を何度もいただきました。
 僕は常々、マスコットにとって一番大切なものは、ファンとの「記憶の絆」だと考えています。一番大切な記憶と、永遠の命――どちらが重いかは、マスコット達にとって永遠の課題。そこに絶対的な正解はないと考えています。世間一般では今までの「常識」が正解なのかもしれないけど、その常識は果たして、ただ無条件に受け入れなければならないものなのだろうか…?

 そして僕にはもう一つ、取り組んでいかなければならない大切な課題がありました。それが「地域貢献」です。
 ファイターズは地域密着の成功例として取り上げられることが多いけれど、まだまだやらなければならないことは多い。僕もこれまで「212物語」や幼稚園訪問などで道内あちこち駆け巡ってきたけど、残念ながら体はひとつ…試合の合間を縫いながらでは、スケジュールには自ずと限界があったんですよね。
 それと212物語で道内を回るうち、北海道の抱えるいろんな課題も僕は目の当たりにしてきました。僕達をずっと支え続けてきてくれた北海道のために、僕が何かもっと恩返し出来ることはないものか?でも現状のままでは、その課題に本気で取り組んでいる余裕もない…。

 もうかれこれ6~7年くらい前からになるでしょうか…僕はこの「2つの課題」について、長い間ずっと考え、そして球団と話し合いを重ねてきました。この2つは全く別問題に思えるでしょうけど、色々考えていく中で、僕の中では一緒に解決出来る方法があるんじゃないかと思えてきたんですね。一番現実的で、ファンにも極力納得してもらえるような方法が。

 それが、マスコットの「世代交代」なんです。

 つまり、ファイターズに1人新しいマスコットを増員する。新マスコットはいきなり僕にとって代わる訳ではなく、当分の間一緒にグラウンドに立ちながら、ファイターズマスコットチームの「魂(スピリット)」をしっかり継承していく。そして成長し、ファンの皆さんにもその存在を認めてもらえるようになった頃、グラウンドを彼に任せて僕は地域貢献活動に出て行く――。これならば、僕も姿を消すことなく、これまで築き上げてきた認知度を活かして地域貢献に集中していけるし、グラウンドでも新マスコットが元気な姿で盛り上げ続けることが出来ます。
 これまで日本プロ野球ではどこもやったことのない、「マスコットの世代交代」という手法。間違いなく賛否両論はあるでしょう。でも、絶対的な正解のない問題だからこそ、前例や常識に捉われず、多くのファンに納得してもらう為にはこういう選択肢もあるんだと提示していくのが、ある意味ファイターズらしいんじゃないかとも思ったんです。
 そんな時に出会ったのが、フレップでした。最初の頃はどうかと思ったけど、彼も彼なりに努力して、特に今年少しずついろんなことが出来るようになってきた。そして奇しくも、来年(2018年)は北海道が命名されて150年の記念すべき年。全道を上げて、北海道の未来の為に新たな一歩を踏み出そうという動きが起こっています。きっとこれも何かの運命。僕が次のステージに向けて踏み出すタイミングは今だ、というメッセージなんだろうな…と考え、全て納得した上でこの結論を出しました

 今後僕は、2018年に行われる「北海道みらい事業」に関わらせてもらいながら、将来本当の意味での北海道への地域貢献にどう役立っていけるのかを模索していきます。テーマがあまりにも大きすぎて、具体的に何をしていくのかはまだ全くの手探りですが、来年中には何とかしっかりと形にしていきたい。
 一方、球場では今後フレップとポリーの2人で頑張ってもらいます。フレップは正直まだまだ頼りないけど、曖昧にしておきたくはないのでここで明言しておきます。来年以降、ファイターズのメインマスコットはフレップです。
 おそらく、ファンの皆さんの意識の中で本当に「メイン」と認められるようになるには、あと数年はかかるでしょう。でもそれまでは、しっかり者のポリーにも支えてもらいながら、2人でファンとの信頼関係をしっかり継承していってほしい。
 僕も時には、2人の様子を見に球場に顔を出します。もちろん地方のイベントなどにも積極的に行くので、ファンの皆さんと会う機会はこれからも沢山あるはず。ファンフェスでの突然の発表だったんで、ちゃんと球場で多くの皆さんに一人ひとり挨拶出来るように、来年のオープン戦までは基本的に毎試合出るつもりではいますしね。これは、決して「引退」じゃない。活動のフィールドを、球場から北海道という、より大きなステージに広げるための「スタート」なんです。もう皆さんと会えなくなる訳では全くないので、安心してください!

 …とか言いつつも、僕の中では正直言って不安だらけです。一体僕に、将来やることがちゃんとあるのか、本当に北海道の役に立てるのか、そのうちファンの皆さんに忘れられはしないか…?この「マスコットの世代交代」というシナリオの是非も含めて、本当に上手くいくかどうかは10~15年くらい経ってからでないと分からないでしょう。けれどこれは本当に長い時間をかけて、何が本当にファンにとってベストなのかを熟考した結果出した答だという事を、皆さんに分かっていただければ幸いです。
 時代は刻々と変わっていきます。マスコットも時代と共に、新しいスタイルを模索しながら変わっていかなければならないのかもしれない。けれど、決して奇抜なものだけが新しさではない。継承していくもの、変わるべきもの――この2つをしっかり見極めながら、ファンの皆さんにはこれからの僕達を、厳しく、そして温かい目で見守っていっていただければと思います。