2012.10.31 WED
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広報レポート <満足するには早すぎる>

 延長12回。その時ベンチに残っていた控え選手は捕手の近藤選手だけになっていました。決着がつくか打ち切りの延長15回まで進むか、もう誰も交代できない状況。そんな中で打席に立ったのは、途中出場で9番に入っていた飯山選手でした。1死一、二塁。歓喜の瞬間が、1ボールからの2球目に訪れました。真ん中低めへの1球をコンパクトに振り抜くと、打球は左中間へ。1970年第1戦以来となる1-0のサヨナラ勝ちを演出したのは、今季の公式戦で12安打という“守備の男”でした。「巡り合わせ」という言葉では片付けられない劇的な勝利となりました。

 二塁ベース上で揉みくちゃにされ、ベンチに戻った飯山選手はチームメートとハグを交わしながらこう話して回りました。「もう満足です」。まさか、これがプロ15年の総決算?「いや、まだまだこれからですよ!」。そんな仲間の反応に、クールな男は白い歯をこぼしました。

 決着をつけたのは飯山選手でした。しかし、歴史的な勝利にはベンチ入りした全員の力が必要でした。先発・中村選手は7回を5安打無四球無失点。20歳にして大舞台のマウンドに立った右腕は降板後、ホッとした表情を隠しませんでした。「打者に向かっていけたことがよかった」。後を受けた石井、武田久、増井3選手が無失点で切り抜けると、12回には宮西選手が三者連続三振で流れを引き寄せました。日本シリーズ初勝利も記録した左腕は「ウイニングボールは飯山さんのところに行くだろうから、今日の試合で使ったボールを記念に残しておきたい」と笑みをこぼしました。

 敵地連敗でスタートしたシリーズも、本拠地での連勝で五分に。再び敵地・東京ドームに戻ることも確定しました。まずは札幌ドームでの“今季最終戦”。必勝を期して臨みます。

中村投手 <7回、球数77、打者25、安打5、三振3、四死球0、失点0、自責点0>

「立ち上がりピンチを招きながら、何とか無失点に抑えて波に乗っていくことが出来ました。相手より先に失点したくなかったですし、鶴岡さんのリード通り、しっかり投げられました。何度か先頭を出しましたが、打者に向かっていけたことが良かったと思います。」

栗山語録

「今日落とせば本当に苦しくなるところで、今年を象徴するような試合になりました。(飯山)裕志は苦労をしてきて、あそこ(12回1死一、二塁)はゲッツーが嫌な場面。それを頭に入れながら思い切り行くのが裕志らしさだよね。相手がジャイアンツで1点取られる前が勝負だと思っていた。中村が7回まで行ってくれたのも大きかった。ファイターズらしくよく我慢してものにしたけれど、まだ第6戦まで行ける権利を得たに過ぎないんでね。頑張ります」

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