2014.07.31 THU
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広報レポート<終わりなき旅>

785日ぶりの勝利の斎藤佑選手
斎藤佑選手を出迎える栗山監督

マウンドを託したブルペン陣がアウトを積み重ねるたび、ベンチで見守っていた斎藤佑選手の表情が晴れていきました。苦しかった記憶が、先発投手として忘れかけていた充実感へと、徐々に変わっていく瞬間でした。最後の打者をクローザーのクロッタ選手が三振に仕留めると、満面に笑みを浮かべてグラウンドへと歩み出しました。チームメート全員からの握手攻めを受け、監督室の前でクロッタ選手から受け取ったウイニングボールを、うれしそうに見つめました。

2012年6月6日。前回の勝利は自身の誕生日に挙げたものでした。それから785日。このブランクの長さ、斎藤佑選手本人も想像していませんでした。右肩の故障でボールを投げることすらできなかった日々。「もう勝てないかもしれない」。いや、それ以上の事態まで想像していました。「もう野球ができないかもしれない」。その男が、もう一度はい上がろうと決心したのは、周囲の支えや激励があったからでした。

「悪いときだからこそ見えてくるものってありますよね」と話したことがありました。人間的にも成長したと、復帰へ向けて動き出す斎藤佑選手に関わった誰もがそう話します。高校、大学時代と華々しい活躍を見せてきた男が、プロに入ってどん底を味わうことに。そんな悲運にも運命に抗うことなく、「自らの野球人生を受け入れよう」と思うに至ったといいます。印象的だったのは、今季のプレイヤーズスペシャルの来場者プレゼントをハンカチにしたいと提案されたとき。「やっぱり僕の原点はそこですからね。逃げられませんよね。面白いじゃないですか」と笑いました。

チームは後半戦の9試合中、7試合で先発投手がクオリティスタート(6回以上を投げて自責点3以下)を決めるなど、安定感を取り戻し始めました。上位2チームとの差はまだまだありますが、追撃態勢を整えるには先発投手の踏ん張りは必要不可欠です。その中で見出された「斎藤佑樹」という名のピースは、単に1勝をもたらせるだけの存在ではありません。ひとつの壁を乗り越えた男の終わりなき旅は続きます。

斎藤佑選手<6回 打者27 球数100 安打6(本塁打1)三振7 四死球5 失点・自責1>

先発の斎藤佑選手

「毎回ランナーを背負って苦しいピッチングをしてしまったので、リズムを中々つくれなかったです。ランナーを背負ってからは、とにかく強い気持ちで投げ込みました。この展開の中で打者の皆さんが逆転してくれたことに感謝したいです。後は勝利を祈りしっかり応援していきます。」

栗山語録

栗山監督

Q.斎藤佑選手が久々の勝利
「会心の勝利というよりは…良かったね。苦しんでいただけにね。内容的には…まあ、叱ったんだけど、最後点が入らないのは佑樹らしいよね。いいボールが行く、ということじゃなくて、苦しいときにどういうピッチングをするかだから」

Q.チームに勢いをもたらせる存在に
「(登録は)一度外すけど、いま先発がみんないいからね。これから目一杯いけるように、相性とかを考えて使っていく」

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