
国頭球場の外野レフト後方には、未だ新緑を失わない山がある。11月になっても蝉時雨(せみしぐれ)がフィールド全体にこだましていて、北海道からきた我々には到底信じられない様だ。今日はそれが時折、雨音によって消された。空が少し明るくなったところで、予定されていた特打を開始。いくら沖縄とはいえ、おそらく最後のひと踏ん張りであろう2008年の蝉たちにめがけて、ファイターズの右打者陣が負けじと快音を球場に響かせた。
練習の合間をぬって行なわれる梨田監督の会見では、「右の大砲がいればね」という言葉が飛び出す。まだ来季の補強が決まっていなくても、「右の大砲」となりうる選手たちが、ちゃんとチーム内に数名いるのだ。先日の同監督のコメントにも「中田の打撃はずいぶん良くなった」とあったが、確かに彼の打球は我々にもわかるくらい、その勢いが増している。課題の守備を克服すれば、今季の屈辱を晴らす日も遠くないかもしれない。候補は中田だけではない。4年目の鵜久森も調子をあげてきた。高校時代のイメージは影を潜め、すっかり短距離バッターになってしまった感があるが、今日の特打ではレフトスタンドに何本も打球を放り込むなど、決して長打を失ってしまったわけではなさそうだ。2人より年齢が上の金子洋平も候補の一人。漠然と打撃に取り組んでいた日々から一転、最近は体力トレーニングの意味を理解しようという意欲が見られ、確実性の高くなかったバッティングスタイルからの脱却に努めている。「意識」という点では、金子洋平が他の二人を一歩リードしている。
「育成で勝つ」という球団の方針は、変わらない。チームが負けると「若手投手が育っていない」とか「和製大砲がいない」と評価を受けるが、他球団を見渡しても、選手育成はそう簡単なものではないことが一目瞭然だ。ファイターズは、欲しいだけ優秀な選手を外からかき集められるチームではない。だからこそ、秋季キャンプを無策で終らせるわけにはいかない。大事なのは、「漠然と打って投げての毎日だけじゃ、他と何も変わらない」と早く気づくことが出来るかどうかだろう。ファイターズにはそれに気づかせてくれる環境が、確実にあるということだけは言える。
9:45 全体ウオームアップ
10:05 キャッチボール
10:20 投内連係
10:40~12:00 行程(打撃、バント、走塁、ティーバッティング)
ランチ
個人練習(コーチ指示)
コンディショニング
特打・・・中田、陽、市川、村田、鵜久森、今成
特守・・・内野)稲田、高口、飯山
外野)糸井、金子洋、工藤
捕手)渡部、鶴岡