2006/04/13(木)B☆B'sコラム

【#29】ケガの「光明」

いやぁ~、やっちゃいましたねェ…。

 既に皆さんご存知とは思いますが、不肖B・B、先日ケガを致しました(>_<)。4月5日、東京ドームでのソフトバンク戦の試合後の事です…。
 その日の試合はめでたく勝利。勝った試合後は、ヒーローインタビューを受けた選手と外野まで行き、選手を称えた後そのまま外野でアクロバット的なパフォーマンスをするのが通常の流れなんですね。で、まず初めにバク宙を1回決めてから、スタンドのファンを煽って更に連続バク転、というのが僕のいつものパターンなんですが…最初の宙返りの時でした。助走を付けて、ロンダートという予備動作(バク転に入る前の、側転の様な動作の事です)に入る時にちょっと変な感じで入っちゃった感覚があったんですね。でも、今までもそういう事はあったし、いつもそのまま跳んでしまって何とかなっていたので、そのままちょっと強引に伸身宙返りに入ったんです。しかし、跳ぶ前の踏切の瞬間、左脚に「バチン」という感触と共に激痛が…。う~ん、あの時のイヤーな感触は当分忘れられないでしょうね。一瞬「ヤバい、アキレス腱切れたかな?」と思いましたから(^^;)。ただ、取りあえずそのまま宙返りは回って着地して(着地の失敗でケガをしたと思われてる方もいるみたいだけど、そうじゃないです)、その後も何とか両足で立てたので、アキレス腱ではないのが分かりました。アキレス腱やっちゃったら、とてもそんな状態じゃなくなると聞いていたので。
 普通だったらその後はファンに挨拶しながらゆっくり戻るんだけど、さすがにその時はそんな余裕なかったですね…。あんまりお客さんにケガしたの気付かれるのもカッコ悪いんで、出来るだけ何食わぬ顔で振る舞おうと思ったんだけど、到底普通には歩けない状態でした。すぐトレーナー室に直行してアイシングをして、翌朝病院に行って診てもらったんだけど、診断結果は「左腓腹筋(ひふくきん)挫傷」、要は左脚ふくらはぎの肉離れで全治3ヶ月、って事でした。

 これがコトの顛末です。パフォーマンスを支障なくこなせる範囲内の小さなケガなら、今までもチョコチョコやってますけど、シーズン中こういう大きなケガをしたのは初めてですね(開幕直前にやった事は、以前一度ありますが)。でも、決して準備不足って訳ではないですよ。毎回激しい動きをする出番前には、選手にさえ「いつも入念だね~」って言われるぐらいウォーミングアップやストレッチとかの準備はしてますから。でも、オフの間から時々左脚のふくらはぎに鈍い痛みを感じる事はあったんで、今になって考えてみれば、それが予兆みたいなモノだったのかもしれませんね。
 「全治3ヶ月」って言うとかなりの重傷のように聞こえるかもしれないけど、これはあくまで、グラウンドで激しいアクロバットなどを普通にこなせるようになるまでの期間を長めに見積もってのこと。お医者さん曰く、1ヶ月ほどで軽く走れるようにはなるだろうし、回復力が早ければ2ヶ月くらいで跳べるようになるかもしれないって事です。骨とか靭帯とかとは違って筋肉の損傷なので、体重をかけて歩いたりふくらはぎを伸ばしたり、そういった特定の動きをしない限りは大丈夫ですよ。実際今も、ただ立ってるだけなら痛みもほとんどないですし。アクロバットだけでなく、走る事もままならない現状だと、むしろ体力的に楽すぎて仕事をした気にならないんですよね…。「こんな楽してていいのか?」って毎試合罪悪感感じてるくらいで(^^;)。
今このコラムを書いている時点でケガからちょうど1週間経ちますが、日々少しずつ回復しているのは感じます。多分次の連戦の頃(4月18日~)には、松葉杖なしで平気なくらいには回復しているでしょう。ただ肉離れの場合、きちんと治らないうちに無理をすると、癖になって再発する恐れがあるみたいなので、焦らずきっちりケアしながら復活を待つ事になります。

 体を張った仕事をしている以上、いつかこういう時が来るかもしれないと覚悟はしてたけど、いざ突然こんな事態に見舞われると(ケガなんて、いつだってある日突然来るモノですが)そりゃあ正直ヘコみますよ(^^;)。でも、以前このコラムでも書いた通り(#9「チカラの源」参照)、 この程度で休むという考えは一切持ってないですね。実際負傷した次の瞬間に考えてた事は、休むって事じゃなく「松葉杖つきながらどうやってパフォーマンスしようか?」でしたから(笑)。今後も試合を休むとか、代役を立てるとかの予定は(代理のキャラも含めて)一切ありません。試合はもちろんのこと、「212物語」のロケや幼稚園・保育園訪問も、全て予定通りこなしますのでご心配なく(^^)。当然、健康体でいる時と出来る事は変わってきてしまうけど、こういう状態ならこういう状態なりに、何か他に出来る事は必ずあるはず。左足がダメなら右足がある。両腕だってある。グリーティングならほぼ通常通り出来ますしね。むしろグラウンドでの出番の準備にかかる時間が若干減る分、スタンドでファンとふれ合える時間がかえって増やせるかもしれない。足を引きずりながらでもグラウンドに立ち続ける、それだけでも見ている人達に何らかのメッセージを送る事だって出来るかもしれないじゃないですか?要は考え方次第。出来ない事を嘆くより、まず出来る事を考えてった方がずっと生産的ですから。
 僕がファイターズのマスコットになってから3年目――今まで色んな事をしてきたけど、今シーズンは正直言って、パフォーマンス内容にちょっとした行き詰まりと言うかプレッシャーを感じていたのは確かです。今までと同じ事ばかりやっていては飽きられる。周囲からは常に新しいアイデアを期待される一方で、オフの間も多忙でなかなかじっくり考えを巡らす時間もなかった。新しく始めた「212物語」は、果たしてファンに受け入れられるのだろうか?…そんな様々な不安を抱えながら、心の準備をしっかりする余裕もなく、慌ただしく開幕を迎えてしまった感じですね。だから、今回のケガはもう一度心と体をリセットして、自分のパフォーマンスについてじっくり考えるチャンスを与えてもらったと考えた方がいいかもしれない。前々からコラムでも言っている通り、決してバク転だけがパフォーマンスじゃないんです。アクロバットが封印されるこの3ヶ月の間は、「飛び道具」ナシでどれだけ毎試合ファンを楽しませ、沸かせる事が出来るかを問われる、ある意味勝負の期間だと思いますよ。スピード勝負のピッチャーが、故障を機にコントロールや変化球を身に付けて、結果的に投球の幅が広がったなんて例もありますしね。この期間中には色んなパフォーマンスを見て勉強する時間も作って、体だけでなく頭のトレーニングをする時間にも充てたいと思っています。

 それから、ケガをしてからというもの、自分は常日頃多くの人達に支えてもらってるんだなぁ…って事も実感してますね。まずチームトレーナーの方々には、負傷直後の応急手当や医者の手配をしてもらったり、試合前に負傷部分のケアを手伝ってもらったり、色々お世話になってます。選手達も皆「大丈夫?」と声を掛けてきてくれますしね。実を言うと、腓腹筋の肉離れって選手でも経験者が結構いるんですよ。中でも引退したガンちゃん(岩本勉さん)や金子選手・田中幸雄選手などからは、具体的に「こういう風にケアしたらいいよ」というアドバイスももらいました。他チームのマスコット仲間達が心配して連絡をくれたのも嬉しかったですね。
 そして何よりも感謝したいのが、沢山のファンから何十通もの激励のお手紙やお見舞いをいただいたこと。年配の方から字もまだ書けないような小さな子供まで、本当に色んな方から…。もちろん全てにきちんと目を通してますし、皆さんの思いは痛いほど伝わって来ています。改めてファンの皆さんとの「絆」をかみしめている今日この頃ですね。月並みな言葉でしか表現出来なくて申し訳ないけど、皆さんには心から感謝したい。本当に、本当にありがとう。m(_ _)m どんな治療法よりも、ファンからの励ましこそが一番の薬です!

 もちろんケガはしないで済むに越した事はないけれど、起こってしまった事は仕方がない。ただ、僕は転んでもタダでは起きないですよ!(笑) 今回の件がキッカケで、失ったものよりむしろ得たものの方が大きかった…と後で思えるように、思いっきりポジティブ思考でいきたいと考えてます。そしてオールスターあたりでは、完全復活した姿を皆さんにお見せしたい。どうかそれまでの間は、ちょっと違ったB・Bの姿も楽しみながら、しばらくの間お待ち下さい。m(_ _)m