2009/08/21(金)B☆B'sコラム

【#69】宴のあと(後編)

 そして、感慨にふける暇もないまま迎えたフレッシュオールスター当日――マスコット達は皆、全国各地から当日入りです。札幌は遠い事もあり、全員揃うのはどうしても昼過ぎになってしまうんですけど、最初の出番である15時までに打合せやらリハやらがちゃんと全部出来るのか、僕はずっと焦りっぱなしでした。全員が集まり次第、早速全体ミーティングに入って進行の説明とかを始めるんですが、この辺の仕切りも全部僕自身。まぁこれはある意味、僕が自ら望んだ形ではあったんですが。
 しかしマスコット全員の引率(?)は、想像以上に大変でした(^^;)。何しろカビーも含めて13人もいる訳ですからね。たとえば移動ひとつとっても、時間にかなり余裕持って控室を出発しないといけない。みんなドーム内の地理が不案内な上、スペースの都合上、エレベーターに一度に全員乗り切れないという裏事情もあって。あの移動中の、マスコットでスシ詰め状態のエレベーターの中の様子は、マスコットファンの方々には是非一度お見せしたいところですねー(笑)。
 ステージに上がれば上がったで、ちょっと目を離した隙にすぐ「自由行動」に走るキャラが約数名…(苦笑)。まぁ、でもそのフリーダムさと言うか無茶っぷりが、プロ野球マスコットの最大の個性と言うか魅力だって事が、最近よくわかってきましたけどね。みんな優等生ばかりだったら、ちっとも面白くないですし。

 マスコット達によるアトラクションは、フレッシュオールスターでは「マスコットNo.1決定戦」と銘打って、イス取り・お絵描き・コーラ売り・100m競走の「4種競技」による個人戦を行いました。こんな形で個人戦をやったら誰が一番になるのか、僕的にも純粋に興味があったし、特に全マスコットによるイス取りゲームとか、一度見てみたいなって前からずっと思ってたんですよね。
 結果は優勝ドアラ、準優勝はマーくんと、奇しくもマスコット界の「2大巨頭(?)」(頭がデカい、って意味じゃありませんよ・笑)が上位を占めましたが、まぁ順位はオマケみたいなモノで、肝心なのは結果よりも「経過」。意外なキャラが意外なところで奮闘したり、キャラによっては逆に負ける事によって目立とうとしてたり(笑)――要するに、ファンを楽しませて目立った者みんなが勝者だって事なんです
 一方、オールスター本戦の方はセ・パ対抗のいわば「団体戦」。ジェスチャー伝言・借り物リレー・お絵描きしりとり・玉入れ・綱引き・6人7脚――と、6種目で対決を行いました。これも、セとパのマスコットどちらが団結力が強いのか、見てみたいという個人的欲求の実現(?)です。本当は7種目にして白黒ハッキリ決着つければ良かったんですけど、結果は図ったように3勝3敗のイーブン。僕はこれまで個人的に、パのマスコットの方がチームワーク的にはまとまっていて、セはどちらかと言うと各キャラの個性が立ってるといった印象を持ってたんですけどね。まぁこれも個人戦同様、重要なのは結果よりも経過。その点、最後の6人7脚なんかはセもパもみんな真面目にやり過ぎちゃったのかなぁ…と、ちょっと反省してます(^^;)。
 フレッシュは個人戦だった分、各競技の得点や順位等の集計作業が結構大変でした。ファイターズ的にはフレッシュはカビーが「主役」なので、僕は必然的に裏方に回る形になったけど、逆にそれでバランスが取れましたね。自分でも競技に参加しながらだと、ちょっとキツかったかも…。何しろフレッシュの日は、冗談抜きで朝からロクに食事を取る間もなかったくらいでしたから。まぁ100m競走だけは、「ディフェンディングチャンピオン」として意地でも出走させてもらいましたが(笑)。余談ですけど、100mでハンデを与え過ぎた(?)クラッチーナが優勝してしまったのはご愛嬌としても、ドアラにガチで負けたのは少なからず悔しかったですね。ドアラには、来年のマスコット交流で必ずリベンジマッチを仕掛けさせてもらいます!
 でも大変だった反面、自分的にはフレッシュの方が面白かった気がします。オールスター本戦の方は、やっぱりファンの注目度的に選手の占めるウェイトが高くなるし、グラウンドで行うアトラクションは、スポンサーやテレビCM等の関係で、時間や内容に関して制約が増えますからね。自由度的にはフレッシュの方が高い。正直、僕もフレッシュの日の個人戦で自分がどのくらいの順位になるのか知りたかったですよ。だけど裏方に徹しても、不思議な充実感みたいなものがあったんですよね。自分がずっとやりたかった事を遂に実現出来て、そしてそれを心から楽しんでくれているファンがいる。心底「やって良かったな」と――。

 今回マスコット達の魅力をアピールする上で、「マスコットステージ」の存在は大きかったと思います。いろんなキャラの面白さや個性を、ファンとの距離が近い場所で存分にアピールするのに、ステージが格好の場所として役立ちましたから。
 実はステージが始まる前、僕にはちょっと不安がありました。試合開始の2時間も前の時間帯、しかも決して分かりやすいとは言えない場所に作ったステージに、一体どれだけのファンがマスコットを見に集まってくれるのだろう?と。せっかく頑張って準備したのに、フタを空けてみたら観客が数人…なんてコトにならないだろうか?――なーんて一抹の不安もあったんですが、それは全くの杞憂に終わりました。いざステージに立ってみると、両日とも超の付くほど満員!2日目なんて1,000人近くはいたんじゃないかと思うくらいで。「僕らの作ったステージに、これだけの人が集まってくれているんだ…」と思って心が震えましたね。
 そしてここで忘れてはいけないのが、今回MCを担当してくれた「ルミお姉さん」の存在。彼女は名古屋でドアラ達のイベントなどで多くMCをやってて、僕もこれまでマスコット交流で名古屋に行った時に、色々お世話になってました。
 ステージ内容を考えながら、「やっぱりMCって重要だよなぁ…」という問題にぶつかった時、真っ先に思い浮かんだのが彼女とロッテの「こなつお姉さん」。どちらもキャラステージMCの「プロ」です。何しろ、百戦錬磨(?)のマスコット達が13人も集まって自由奔放にやってる訳ですからね。その中に入って、上手いことみんなをイジりながらステージを楽しくまとめ上げるのは、経験者でないと務まらない熟練の技だと思っていた。でも、名古屋や千葉からMCを呼べる予算は出そうにないし…。そんな折、たまたまルミお姉さんがプライベートでオールスター観戦に来るという情報を聞き付け、「どうせ来るならMCもお願い!」と無理に頼み込んだところ、快諾してくれた――というのが実情なんです(^^;)。本当は純粋にお楽しみに来るつもりだったのをコキ使ってしまって、ルミさんほんとスイマセン!m(_ _)m
 しかし、彼女は僕の期待以上に上手くやってくれました。僕がステージで一番不安だったのは、果たして45分という時間でキッチリ終われるんだろうか?ってとこだったんです。何しろ対決モノはやってみないと時間が読めなくて…その後も出番はビッシリだし、スケジュールが押してしまったらどうしよう?と。でもルミお姉さんは、好き勝手に動き回るマスコット達を上手いこと転がしながら、キッチリ45分でまとめてくれたんです。その「技」には、もう脱帽モノでしたね。
 ちなみにもう一つ付け加えると、ステージでPA(音響)を担当していただいたのも、名古屋のキャライベントでスタッフを勤めている「松下先生」。実はこれも予算の関係で、専門のPAスタッフがいない状態だったんですよ。そんな中、ボランティアで自ら名乗り出てくれて…本当に助かりました。名古屋のステージを見慣れてる方だったら、BGMが何だか聞き慣れたものだなー、と感じたかもしれないですけど、実はこういう事情があったんです。多大なご協力をいただいたドラゴンズさんには、本当に感謝の一言に尽きます!

 今回のオールスター、僕の中での満足度を採点すると…100点満点で60点くらいでしょうか?マイナス40点分は、予算やスケジュールなどの諸事情でイメージ通りのアトラクションが全て実現出来なかった事と、仕切りがまだまだ不十分で他のマスコット達に迷惑を掛けてしまったんじゃないか…という反省からです。
 やっぱり自分が演じながら全てを仕切るのは、正直ちょっとキツいものがありますね。広島の第2戦とかを見ると、仕切りは代理店とかの専門業者に任せた方が、慣れた手順でテキパキやっている印象がありましたから。理想を言えば、楽しい内容を考える部分は現場を知ってるマスコット達に任せてもらって、そのイメージを他のスタッフがきちんと具現化していける体制があればパーフェクトなのかなぁ、と…。
 また内容を濃くした分、他のマスコット達には色々負担が掛かっただろうと思うし、僕の拙い説明や指示で分かりづらかった部分も少なくなかったんじゃないかと思います。でもみんな文句ひとつ言わず協力してくれて、ステージに上がればこちらの期待以上に盛り上げてくれた。僕は単に「お膳立て」をしただけ。後はみんなが好きに頑張ってくれたからこそ、あれだけの楽しさになったんだと思います。一見みんな勝手に動いているようでも、肝心な所では不思議と一体になっている。今回のマスコット集合は、そんなマスコット達の「絆」を再確認した機会でもありました。本当に、みんなには感謝です!
 そんな感じで、僕的には決して大満足とは言えなかったんですけど、後日多くのファンから「札幌のオールスター、すごく楽しかったよ」という言葉を掛けてもらって…それにだいぶ救われました。インターネットの動画サイトには、当日のマスコットステージの様子とかが大量にアップされてますけど、それもひとつの評価の表れなんだと思います。そういうのを見ると、身を削って準備したのが報われた思いですね。ちなみに僕は、ステージ中はバタバタで内容を見てる余裕なんてなかったんですけど、後になって動画サイトでステージの様子を改めて見て、腹抱えて笑い転げましたよ。みんな、こんなにムチャクチャやってたのかよっ!て(笑)。
 それから、以前からコラムでオールスターに関して主張していた事のひとつですが、TV中継について――。フレッシュの中継をしたスカイAさんは、かなり頑張ってくれてました。100m競走なんて完全中継してくれてましたしね。ただ、オールスター第1戦については――あえてノーコメントという事で、後は察して下さい。もちろん、こちらの要望は事前にキッチリ伝えてはいたんですけど、その結果がああだったという事で(苦笑)。

 今回痛切に感じたのは、やっぱりオールスターの中で理想を追求するには限度があるな、と。やっぱり主役は当然ながら選手であって、僕達はその「隙間」を使わせてもらってるだけ。いくらマスコットが以前より注目度高くなったからと言って、選手を押しのけてまでやろうというのはもちろん本末転倒ですしね。
 ただ今回のオールスターが、僕達マスコットの「可能性」をアピールするには充分に役立ったと思います。マスコットだけでもこれだけの集客力があるんだよ、と。実際、シーズンオフの間にもこういったマスコット集合イベントを行う構想も、決して絵空事ではないレベルまで来てるみたいなんですよね。もしマスコットが主役のイベントが開けたなら――様々な制約が減る分、もっともっと楽しくて思い切った企画が出来るだろうし、ファンとのふれ合いもじっくり時間を取れるはず。きっと遠くない将来、そういうイベントが開ける日が来ると信じてます。
 それから余談ですが、出来ればフレッシュオールスターはサブキャラ集合にしたらいいんじゃないかと思うんですよね。今回フレッシュの日だけ、楽天からはクラッチーナが参加してくれたんですけど、1人だけでも女子キャラが加わった事によってかなり「華」を感じたんです。今後フレッシュの日は女子キャラ集合!なんて形にすれば、ファンにとっても新しい楽しみが出来るだろうし、キャラ達にとってもやり甲斐が増えるんじゃないかと思いました。女子キャラに限らず、他のサブキャラの中にも面白いヤツはたくさんいますしね。ロッテのCOOLとかソフトバンクのハーキュリーとか、ヤクルトの燕太郎とか…もっと注目が集まれば、今後ブレイクしそうなキャラが(笑)。まぁこれは、予算とかの現実的な問題をクリアしていく必要もありますが…取りあえず、NPB側に要望は伝えておきました。

 さて、来年のオールスターは、福岡と新潟。ここまで来たら、もう後戻りは出来ないですよね?来年は一体どんなマスコット集合になるのか、大いに期待しましょう!――などとハリーに若干プレッシャーをかけつつ(笑)、長くなりましたが今回のオールスターレポートはこの辺で…。