2009/11/13(金)B☆B'sコラム

【#71】後悔の秋

 長い、長いシーズンが終わりました。

 結果は――皆さん既にご存知の通りです。リーグ優勝を遂げたとは言え、最後が敗戦、しかも目の前で相手チームの胴上げを見せられてシーズンを終えるのは、ちょっとツラいものがありますね…(^^;)。

 皆さん既にお気付きの通り、今年の日本シリーズでは、残念ながらマスコット交流は行われませんでした。僕が過去2度日本シリーズに出た際の対戦相手は、2回とも中日。中日はマスコット交流には実に理解のある球団ですから、2回ともすんなりとマスコット交流が実現していました。だから皆さんの中でも、当然今回も交流を期待していた方々は多かったでしょう。実際には去年のシリーズもマスコットは交流してなかったんですが、僕としてはオールスター同様、日本シリーズでもマスコット交流が恒例になってほしい、と願ってるんですよね。
 もちろん、相手球団側との交渉は行いました。クライマックスシリーズ(CS)が終わって相手チームが決まってからでは遅いんで、CS第2ステージの途中くらいから、巨人・中日の双方と下交渉はしてましたね。もし相手が中日だったら、問題なく今回も実現していたはずですが――。
 結局、日本シリーズの相手に決まったのは巨人。そして、マスコット交流は行われませんでした。最初から何の努力もしてなかったように思われるのは嫌なんですが、この結果が全てと言えば全てです。ただ一応誤解なきよう説明させてもらうと、先方に交流を全て断られたと思っている方もいるかもしれないけど、それは正しくありません。今回僕が東京ドームに行かなかった件に関しては、最終的には僕が自分で決めた事なんです。
 本当は、僕は比較的早い段階で、東京にも行く方向で一旦気持ちを固めてました。東京は元々本拠地なのでファンも多いし、今でも毎年主催試合を多くやってますから、行けばきっと喜んでもらえるんじゃないかなぁ、って。CSで勝った後も、「B・Bは日本シリーズ、東京も行くの?」ってかなり聞かれましたし。まぁ相手もある事なんであまり多くは語れませんけど、要は交渉の過程で色々思うところありまして…。過去の交流実績とかも考えると、僕の気持ちの中で揺れが生じてしまった。で、周囲に色々相談したり、自分でもさんざん迷った挙句、行くのは取り止めという結論に達したんです。これが日本シリーズ開幕前日のことでした。

 正直、後になってこの決断は随分と後悔しましたね。東京ドームで第3~5戦の行われている最中、僕は札幌で留守番しながらずっとTV観戦してた訳なんですけど、気持ちは相当複雑でした。チームは毎試合白熱した試合を繰り広げている。そしてアウェイとは言え、スタンドにはかなりの数ファイターズファンが詰め掛けて大声援を送っていて――その場に居ないっていうのは、何て言うか…ある意味自分がチームの一員じゃないような気持ちにさせられるんですよね。…いや、シーズン中も僕はビジターは基本的には行ってないんですけど(^^;)。でもやっぱり日本シリーズは、試合の重みが全然違う。こんな大事な試合に、その「空気」を分かち合えないっていうのは無性に寂しくなるモノなんです。それに何と言っても、アウェイの試合にあれだけ詰め掛けてくれた首都圏のファイターズファン(北海道から行ってた方も多いとは思いますが)に申し訳なくて仕方なかった。TVを見ながら気付くと、ことあるごとに自分が東京ドームに立ってる姿を想像している僕がいました。試合前ジャビット達が映ると、「あぁ、本当はココで一緒に絡んでたんだろうなぁ…」とか、高橋・小谷野両選手のヒーローインタビューでは、「ここで2人の間に僕が立ってたはずなのに…」とか。で、やっぱり最終的には思いました。「もし今後日本シリーズに出たら、何が何でも全試合参加させてもらおう!」と――。

 お祭り的意味合いもあるオールスターとは違って、日本シリーズは究極の真剣勝負の場ですから、そこにもマスコット交流を!――と望むのは、出しゃばり過ぎだと思われるかもしれない。でも…日本シリーズって普段の公式戦と全っ然雰囲気が違うんですよ。まず試合前からして、グラウンドで取材してるマスコミの数がハンパじゃない。日本中で試合してるのは自分達だけな訳だし、注目度が違うなぁ…と。試合中の盛り上がりもボリュームが物凄いですしね。1年間チームと一緒に戦ってきたマスコット達にも、そんな栄誉を分かち合える機会が1試合でも多ければ――僕はただ、純粋にそう思うだけなんです。今回は自分でそのチャンスを潰しておきながら、こう言うのも矛盾してると思われるでしょうけど…。
 今回の交渉の過程で僕が改めて痛感したのは、「球団」レベルでの、マスコットの位置付けや交流に対する「温度差」みたいなものでした。マスコット本人含め、現場レベルのスタッフの方達は、どこのチームでも意識の高さはそんなに変わらないんですけどね。実際、今回も交流実現には至らなかったものの、ジャイアンツの現場スタッフの方には色々と尽力していただきましたし(ジャビットには何も罪はないし、僕も彼は大好きなキャラなんで、彼らの事は悪く思わないで下さいね)。

 今年は春先にWBCがあった影響か、シーズン全体が例年よりちょっと遅めでしたね。日本シリーズが終わったのが、11月7日。日本シリーズ期間中には、札幌ではもう雪も舞っていました。今は長かったシーズンの反動からか、ちょっとした虚脱感に襲われてる状況です。多くのファンの方から「ゆっくり休んでね」と声も掛けていただいてますけど、もう間もなくファンフェスティバルもやってくるし、なかなかそうも行かなくて…(^^;)。来シーズンは開幕も3月20日と早いし、またすぐにシーズンがやって来て――こうしてまた1年があっと言うまに過ぎていってしまうんでしょうね。僕も時の流れに埋没してしまわないよう、このオフも何かと話題を振りまきながら、いろんな仕掛けを考えていきたいと思う今日この頃です。