2010/01/30(土)B☆B'sコラム

【#73】HAND

 前回のコラムから、随分と間が空いてしまいました。気付けば新年のご挨拶をするタイミングも逃したまま…今更ですが、今年も宜しくお願いします!
 ご無沙汰の原因は、えぇと…「ディナーショー」です(笑)。1月14日のB・Bディナーショーについては知ってた方もいると思うけど、年末から年始にかけてずーっと、僕は今オフ一番の大仕事とも言えるこのイベントにかかりっきりでした。

 ディナーショーをするのは今回が2度目ですけど、そもそも「マスコットのディナーショー」って一体何をするの?という疑問から始まる方もいると思うので(笑)、ざっくりと説明しましょう。
 場所は、札幌グランドホテルという老舗ホテルの宴会場。雰囲気的には、芸能人のディナーショーみたいなイメージを思い描いて下さい。そこのステージで約400人の観客を前に、僕のワンマンショーをする訳です。約3時間のステージを3部に分けて、第1部は僕が各テーブルを回ってのグリーティング、第2部はゲームやクイズ・抽選会などのお楽しみの部、そして最後の第3部は僕のピアノ弾き語り――という構成ですね。
 ディナーショーの一番の「目玉」と言えるのは、やっぱり最後の僕のピアノ弾き語りの部分になると思います。時間や準備の都合上、歌うのは3曲のみですけど、実際今回もそれが目当てで来られた方が一番多かったようですしね。
 ちなみに、マスコットが弾き語り、つまり自ら「歌う」という行為に関しては、ファンの中で賛否両論あるのはもちろん知っています。僕には僕なりの考えがあってやってる事なんですけど、これについて語るとそれだけで確実にコラム1回分使ってしまうので(笑)、この辺についてはまた別の機会にでもお話し出来ればと思います。

 さて、ピアノ弾き語りは今回2回目。前回は弾き語り自体がサプライズ企画でしたけど、最初から歌う事が分かっている今回は、何か新しい要素を加えないと進歩がない。ならば、今度は曲作りにも挑戦してしまおうと。他人の歌のカバーではなく、自分で作詞作曲して自分の言葉で歌った方が、よりダイレクトにファンに心が伝わるんじゃないか――という事で、前回のディナーショー直後からこのアイデアは温めていました。
 とは言っても、曲なんてそう簡単に書けるものじゃなく――曲作りは相当難航しました(^^;)。11月末くらいから時間を見付けては詞を書き綴って、詞の方は何とか本番1ヶ月前の12月中旬くらいには書き上がったんだけど、その後なかなかメロディーが出来ない。実を言うと作曲は今回が初体験ではないので、過去に作った自作曲のストックを使うという奥の手もあったけど、それは何だか「逃げ」の様な気がして嫌だったんです。やっぱり、今回のディナーショーのコンセプトに沿った曲を新しく書き下ろす事にこだわりたかった。
 しかし年末のその時期は、クリスマス関連のイベントや施設訪問なんかが目白押しの日々。スケジュールに追われまくりながらでは、とても心が「曲作りモード」に入れるような状況じゃなかった。本番は一日一日容赦なく近付いてくるし、曲のアイデアは一向に浮かんでこない…。ちょうどクリスマスの頃は、ものすごく精神的に追い詰められてました。
 ようやくまともなメロディーの断片が浮かんできたのは、ちょうどそんなスケジュールが一段落した12月26日頃の事。そうして暮れも押し詰まった大晦日、何とか曲は完成しました。曲が出来た事で気分的には少し楽にはなったけど、もうその時点で本番まであとわずか2週間…。曲以外の部分でもディナーショーの準備が全体的に遅れ気味だったんで、年末年始はノンビリする余裕なんて全くありませんでした。去年も写真集の原稿書きで正月がなかったから、これで2年連続の正月返上ですね…(苦笑)。
 ディナーショーは一般のイベントよりも特段高い入場料金をいただく訳ですから、半端なものは見せられないというプレッシャーがとにかく大きかった。チケットは1日でほぼ完売に近い状態になったみたいだし、「本当に期待に応えられるステージが見せられるんだろうか…?」ってプレッシャーに毎日襲われてました。
 

 そして迎えた本番当日――夕方6時半の開演から始まって、最後のグリーティングまで全て終了したのが深夜11時半を回った頃。ほとんど出づっぱりの約5時間が終わった後は、全てを出し切った感がありました。
 結果は…まずまずと言ったところでしょうか。まだまだ改善点はたくさんあるけど、お楽しみコーナーは僕が予想していたよりもかなり盛り上がってましたし、弾き語りも緊張はしたものの心を込めて歌い切れたかな、と。
 僕は毎回ディナーショーの副題として、自分の大切にしたいキーワードを付けてるんです。前回のディナーショーは「絆」、そして今回は「HAND」と――。僕らマスコットは普段言葉は喋らないけど、それでもファンの方々にいろんなメッセージを伝える事が可能なのは、マスコットとふれ合った事のある皆さんならわかると思います。HAND、つまり「手」とは、そんなマスコット達がメッセージを伝える為の一番大切な媒体だと僕は思うんですよね。「僕達の手は、一体何を伝えられるのだろう?」「マスコットとのふれ合いの中で、手の温もりを通して何かを感じてほしい」という問いかけや願いを込めて、そういった副題を付けました。
 前述した自作の歌も、そのコンセプトに充分見合った内容に仕上がったと自負しています。来場した方には特製の歌詞カードを配布したので、家に帰ってからもそのメッセージを読み返してもらえると嬉しいですね。ある意味無謀とも言えるチャレンジではあったけど、当日までの苦悩は、ショー終了後のグリーティングでの皆さんの笑顔と感謝の言葉で全て報われました。

 ただ、来場された方からはその後、「また次回も楽しみにしてます」といったお手紙もいただいたりするんですが――それはそれで凄く嬉しいメッセージなんですけど――、来オフ以降も同じような形でディナーショーを続けるかどうかは、正直僕の中ではまだ白紙ですね。理由はいくつかあります。
 まず第一に、負担の問題。現状このディナーショーは、映画に例えれば監督・脚本・主演を全て自分一人でやっているような状態です。ずっと続けるとなると、飽きられない為にどんどんハードルが上がっていく事は確実ですし、普通に一般のイベントや幼稚園訪問などをこなしながら、一人三役を今後も毎回続けられるのかな…って不安があります。
 それから、400人という観客数は、一人で対応するにはちょっと規模が大き過ぎますね。今回ディナーショーに初めて来られた方の中には、普段の試合やイベントの時みたいに、写真撮影とかサインとか、僕とのふれ合いを期待して来た方も少なくないと思います。だけど実際には、400人もの人数と一人ひとり2ショット写真を撮ったりサインの対応をするのは、2~3時間のショーの中では物理的に無理。今回はショー終了後に写真撮影タイムを設けましたけど、時間の関係でどうしても流れ作業的になってしまって、すごく申し訳ない気がしたんですよね。
 そして何よりも引っ掛かるのが、1人10,000円(子供は5,000円)という料金。この料金は、ホテルのディナーショーの相場としては安い方らしいですけど、それでも僕は、マスコットに会いに行くのに1万円、という料金設定にすごく罪悪感を抱いてしまう。いつも気軽な感じで僕に会いに来るファンが、ディナーショーにはみんな着飾って来てたりするのを見て、何かが違うなぁ…と。やっぱりマスコットは、もっと身近にいて気軽にふれ合えた方がいいんじゃないか、って思うんです。
 僕の本音を言うと、来オフは出来ればこういったディナーショーの代わりに、前々からここで言ってるマスコット全員集合的なイベントを、札幌ドームかどこかでやりたいんですよね。料金も、せめて普段の試合のチケットくらいの料金で入れるような手頃な値段にして。で、こういったホテルでも何か前夜祭的なものとか出来ないかなぁ…と。立食形式みたいな感じで、好きなマスコットと好きなようにふれ合えるようにしてね。現実的に可能なのかどうかはまだまだ未知数だし、こういった内容はまだ僕の妄想の域を出てないんですが…(^^;)。

 まぁとりあえず、今回のディナーショーは大方の来場者に楽しんでいただけたようで、やっと重い肩の荷がひとつ下りた感じです。ただホッとする間もなく、ちょうどディナーショーの1ヶ月後、2月14日には次の試練?である札幌国際スキーマラソンが控えています。毎年出てるイベントではあるんだけど、今回は初めて25kmの超長距離に挑戦するという無謀な挑戦をまた自分に課してしまったので(笑)、ちょっと今からドキドキなんですよね。次回のコラムではこちらについて色々と報告する事になると思いますので、どうぞお楽しみに!