2019/04/10(水)B☆B'sコラム

【#86】それから

 いよいよ2019年のシーズンも始まりましたね!今年のファイターズは魅力的な新戦力もたくさん加わって、期待されてるファンの方々も多いんじゃないかと思います。
 僕がグラウンドを離れて2年目になりますが、世間が開幕で盛り上がっているのを横目で見送るのは、正直寂しいモノですよ。でもお陰様で、僕は僕なりに何かと忙しい日々を送っています。

 「B☆Bはグラウンドを離れてから、毎日どうしてるんだろう?」って思ってくれてる方、いるかもしれません。ファンの方からは、「少しはゆっくり出来てるの?」なんて聞かれたりもします。
 ――正直言って、全っ然ゆっくり出来てないですね(笑)。去年は1年間「北海道150年事業」に絡んで、道内各地のイベントに出たりしていました。そのほか、球団が行っているSC活動(社会貢献活動)にも参加して「ゆきのね奨楽金」でウィンタースポーツやったり、ウォーキングイベントに出たり…と、出番も結構ありました。試合にも何試合か出てましたしね。
 では、出番のない試合の時はと言うと…外部でイベントとかない限り、球場のどっかでコッソリ試合を見てました(笑)。これから先、僕は自分の活動と並行して、ファイターズのマスコットチームを良い方向に導いていくのもひとつの大切な使命だと思ってるんですよね。「B☆Bがいなくなって、ファイターズのマスコットの質が落ちた」とか「つまらなくなった」なんて言われたくない。だからフレップやポリーの動きを見て感想を伝えたり、時にはダメ出しもしたりしてます。
 …正直、傍から見てて思うところはたくさんありますよ。まぁポリーについては全く心配してませんが(笑)。ただ僕らには「100%正解」ってのがなくて、基本的に主観で判断される世界。あんまり僕の理想ばかり押し付けてもいけないと思ってます。目指すべきは「新しい個性」なので。間違った方向さえ向いていなければいいのかなぁ?…なんてことも思いつつ葛藤してます(^^;)。
 それから、彼らを「守っていく」ことも僕の役割だと思ってますね。「B☆Bが抜けてマスコットの扱いが悪くなった」なんてことがないように…。マスコットは演出のための一つの「道具」ではなく、球団とファンの心とを繋ぐ架け橋。だから彼らがファンのために頑張った分は、正当に評価してもらえるようにしてあげたい。でも現実には、僕一人の想いだけではどうにもならないこともたくさんある。だから、その辺の防波堤になれる存在でなければ、と思ってます。
 「いつも球場にいるんなら、試合に出ればいいのに」って思う方もいるかもしれないけど、ちゃんと「世代交代」するには僕がやたらと出過ぎてもいけないので、そこは堪えるようにしてます。他球団で前例のない世代交代のシナリオを成功させるためには、もっとフレップの認知度を上げてかないといけないですからね。でもその一方で、僕は年々忘れられてっちゃうのかなぁ…?って不安も正直ありますよ。そのうち僕がたまに球場に顔を出しても、「誰?」みたいになっちゃうのかなぁ…って(^^;)。
 今でも試合の日、球場で「B☆B 212」のユニフォームを着てる方を1日に10人くらいは見かけるんですけど、素直に嬉しいですよね。「まだ忘れられてなかった」って安心する(笑)。一番理想なのは、フレップやポリーには僕の存在が霞むくらい球場で目立ってもらって、僕も僕なりに自分のフィールドで存在をアピールし続ける、って形だと思うんですけどね。

 まあ、そんなこんなで去年1年間を過ごしてきたんですけど、僕が同時進行でもうひとつ取り組んでいたことがありました。それが、今後僕の活動の核となる地域貢献プロジェクトの準備なんです。
 2006~2015年の10年間、僕は「212物語」で北海道内の市町村を訪問してきました。10年かけて全市町村を回り終えた後、「2周目も回るの?」なんてよく聞かれたけど、僕は単純に2周目も同じことをやろうとは思わなかった。それは、一通りのまちを全部回って来て、感じたことがたくさんあったからなんです。
 北海道の市町村数は、現在179。これだけたくさんあれば、市町村にもいろんな個性があります。観光名所がたくさんあるまちもあれば、有名な場所はなくても農業や漁業でしっかり成り立っているまちもあるし、福祉に力を入れているまちもある。212物語は市町村の名所や特産品を映像で紹介していくのがメインの目的だったけど、それだけじゃ収まらない要素もたくさんあるんだな、っていうのは実感していました。
 そして、ずっと社会問題になっている過疎や少子高齢化――これは、道内いろんな所を回っている中で痛いほど感じましたね。地方を回ってると、道路脇に人が住まなくなった廃屋とか、校庭が雑草だらけになった廃校なんかを頻繁に見かけるんですよ。小さな町や村では、子どもが少なくなって野球少年団のチームが組めなくなってしまった、という話もよく聞きました。そんな経験を繰り返すうちに、「なんとか少しでも、地域のために力になれないものか」と思うようになっていったんです。
 だから、もし「2周目」をやるんなら、もっと本当の意味で地域のためになることをやりたいな、とは漠然と考えていました。そうこうしてるうち、あっと言う間に3年が過ぎてしまったんですけど、150年事業も一段落した今年こそが、正に次のステップに進むタイミング。そのために、「次」は何をすべきかを去年はずーっと考えていたんです。
 そんな中で取り組んだのが、市町村への「ヒアリング」。実際にいくつかのまちに出向いて、役場や市役所のいろんな部署の人達に集まってもらって話を聞かせてもらいました。それぞれのまちの特色、今取り組んでいる課題、B☆Bにしてほしいこと…などなど。これは本当に参考になりましたね。同時に、僕に「出来ること」と「出来ないこと」も見えてきた。212物語で市町村を回っていた頃は、地方が抱える全ての課題で自分が力になれないか、なんて漠然と思っていたけど、たとえば過疎とか少子高齢化とかは、いちマスコットの力だけではどうにもならない。じゃあどんな形で力になれるんだろうか…?
 そんなことを考えながら少しずつアイデアをまとめていった結果が、今回発表した僕の新しい地域貢献プロジェクト、「The HOME~B☆Bみらい大志プロジェクト~」になります。
 内容をざっくり説明すると、こんな感じです。↓

  • 活動は「年度」(4月~翌年3月)単位 ※自治体側の取り組みやすさを考慮
  • 1年度につき、対象の市町村は2~3ヵ所。年間を通して各市町村で貢献活動を行う
  • 具体的な活動内容は、各市町村の要望を聞いた上で決定
  • メインコンテンツとして、年度内に一度B☆Bが各市町村に2週間程度の長期滞在
  • 長期滞在以外にも、必要に応じてB☆Bが随時対象市町村を訪問
  • 各市町村の見どころなど様々な情報を、B☆Bが球団公式サイト内で随時発信

 プロジェクト名の「The HOME」には、いろんな想いが込められています。まず、ファイターズの「ホーム」、北海道への恩返しという意味。それから、僕が各市町村に「家」を構える長期滞在がメインとなること。対象市町村出身の方にとっては、自分の故郷(HOME)の再認識となり、それ以外の方にとってもそのまちの魅力を知ることによって、もしかしたら新たな「棲み家」(HOME)探しのきっかけになるかもしれない、という願い。そしてもうひとつ付け加えると、去年出版した212物語写真集のタイトルも『HOME』だったんですよね。やっぱり212物語あってこその新プロジェクトなので、「続編」としての接点もそれとなく残しておきたかったんです。
 初年度となる2019年度の対象市町村は、今金町・大樹町・斜里町の3町。これは地域バランスはじめ、いろんな要素を加味して決めました。プロジェクトのメインになる「長期滞在」は、正に去年やったヒアリングから発想を得たものですね。札幌から出向くだけじゃなく、その町に実際に暮らしてみて町民目線で人々とふれ合ったり、町の隅々まで出歩いて魅力を探したい。地域の方といろいろ話してる中で、僕が一番直接的に地域のために役立てることは、やっぱり人とふれ合って元気になってもらったり、発信力を活かして情報を発信していくことなんじゃないかと改めて気付いたんですよね。
 情報発信については、このマスコットページの一角でブログ的なものを新しく作って、当面はそこをメインにいろんな形で情報を発信していく予定です。今のご時世、本当はSNSでの発信がベストだったんですが…(^^;)。もし出来ることなら、ドローンとかVR映像とか最新の技術も取り入れられないかな、なんてことも企んでます。
 それから、これもいろんな壁をクリア出来ればの話だけど、滞在期間中に希望者を集めて、1泊2日くらいでB☆Bと一緒にその町の見どころを回るツアーなんてのも組めたら面白いだろうな、とか考えてますね。
 前述した今金・大樹・斜里の対象3町。もし興味あったら、地図で調べてみてください。――どこも札幌からはかなりの距離があります。でも、3町それぞれ個性と美しい風景があって、魅力的な場所なんですよね。去年150年事業絡みでいろんなまちに行った時、道内・道外からわざわざそこまで多くの人が僕に会いに来てくれたんだけど、そんな感じで皆さんに実際にその町に来てもらって体感してもらえれば、いわゆる「交流人口」の増加にもちょっとは貢献出来るのかな、と。

 そんな訳で、これからまた僕の新しい挑戦が始まります。構想があまりにも大きすぎて、本当に1人でこれ全部こなせるのか、正直言って不安だらけですが…。年に3ヵ所でも多過ぎるかもしれないし、179市町村全部回り切ります、なんて約束も到底出来ないですしね。
 でも、やるからには中途半端なマネはしたくないんです。不安がなくなるまで待ってたって、いつまでも踏み出せない。212物語の時もそうだったように、最初は手探りしながら作り上げていくしかないんです。どうか皆さんも、このプロジェクトを長い目で見守ってくださいね。もちろん皆さんに忘れられないように、僕も年に何度かは球場に出たり、他のイベントにも顔を出すつもりではいますので(笑)。