歴代監督
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中西 太1974-1975

1933年4月11日生。香川県高松市出身。
高松一高時代から「怪童」と呼ばれ、52年に西鉄に入団。開幕戦で先発デビューを果たし、打率.281、12本塁打、65打点で新人王を獲得した。53年は36本塁打、86打点で最多本塁打、最多打点の二冠。打率.314に加え、36盗塁もマークし、史上最年少でトリプルスリーを達成した。54年に最多本塁打、55年と58年は首位打者と最多本塁打、56年は最多本塁打と最多打点、57年は最多打点と、毎年打撃タイトルを獲得。稲尾和久、豊田泰光らとともに西鉄の黄金時代を築き、56年にはパ・リーグMVPに選出されている。62年に監督兼任となり、63年には西鉄を最後の優勝に導いた。69年限りで現役を引退し、監督からも退く。71年に義父の三原脩がヤクルトの監督に就任すると、ヘッドコーチとして三原を支えた。74年に三原が球団社長に就くと、日本ハムの初代監督に就任した。1年目は前期が25勝36敗4分け、後期は24勝39敗2分けで、いずれも6位、2年目は27勝30敗8分けで、後期が28勝33敗4分けで、いずれも4位だった。80年から2年間阪神の監督。「自分は監督じゃなく、コーチのほうが合っている」と語る通り、その後、ヤクルト、近鉄でコーチを務め、若松勉、ラルフ・ブライアント、岩村明憲ら多くの選手を育てた。監督として通算12年、1640試合、748勝811敗81分、勝率.480。

大沢 啓二1976-1984

1932年3月14日生。神奈川県藤沢市出身。
神奈川商工高から立教大に進み、1956年、南海に入団。打者によって守備位置を変えるデータ野球をいち早く採り入れ、59年の日本シリーズでは好守備でピンチを救った。65年、東京（現・千葉ロッテ）に移籍し、その年限りで現役を引退した。66年からは東京でコーチに就任し、69年から二軍監督。71年シーズン途中に一軍監督に昇格すると、72年いっぱいまで指揮を執った。76年、日本ハムの監督に就任し、「ハム」にちなんで背番号86を選んだ。広島から江夏豊を獲得した81年、日本ハムとなって初めてのリーグ優勝に導いた。83年オフ、6年連続Aクラスの成績を残し球団常務へ転身する。ところが後任の植村義信監督が成績不振で翌84年シーズン途中に辞任。急遽監督に復帰した。93年に再度監督に就任。広瀬哲朗を主将に抜擢、金石昭人を抑えに起用といった手腕を発揮し、西武に１ゲーム差の２位に押し上げた。また、ユニークな言動でリーグを盛り上げ、オフにはパ・リーグ特別功労賞が贈られ、愛称の「親分」は流行語に選ばれた。翌94年に最下位に沈むと、最終戦終了後、東京ドームのマウンドで土下座してファンに謝罪した。95年から解説者。日本プロ野球OBクラブの理事長を務め、野球振興に尽力すると同時に、球界のご意見番として歯に衣着せぬ言動で人気を博した。監督として通算13年、1547試合、725勝723敗99分、勝率.501。

植村 義信1984

1935年1月5日生。兵庫県芦屋市出身。
芦屋高では1951年夏から3期連続で甲子園に出場。3年夏の甲子園では3試合連続完封を含む5勝を挙げ、チームを優勝に導いた。53年、毎日（現・千葉ロッテ）に入団。54年は先発、救援にフル回転し、9勝、防御率2.25をマークした。55年は18勝トリオの荒巻淳、中川隆、和田功に次ぐ17勝。防御率も中川に次ぐリーグ2位の2.13をマークした。56年にキャリアハイの19勝、防御率2.01を挙げ、勝率.792で初タイトルとなる最高勝率を受賞している。57年3月30日の開幕戦（平和台）では、前年日本一の西鉄を相手に最少投球数のプロ野球タイ記録となる71球で無四球完投勝利を収めている。59年には3年振りの二桁勝利となる14勝を挙げ、2度目のオールスター出場を果たした。61年限りで現役を退くと、毎日（ロッテ）、阪急、ヤクルト、日本ハム、巨人で36年間にわたりコーチを務めた。日本ハムでは工藤幹夫、間柴茂有、木田勇を育てた。84年、日本ハムの監督に就任。4月は10勝12敗2分けとまずまずのスタートを切ったが、5月に5勝16敗3分と失速。5月下旬から引き分けを挟んで8連敗を喫した。6月に5連勝を記録するなど持ち直したが、6月28日に辞任を発表した。日本ハム退団後も指導力を評価され2000年までコーチを続けた。監督として1年、67試合、21勝37敗9分、勝率.362。

高田 繁1985-1988

1945年7月24日生。大阪府大阪市出身。
浪商高（現・大体大浪商高）から明治大に進み、67年のドラフト1位で巨人に入団。1年目からレギュラーを獲得し、新人王を受賞した。69年に初のベストナインを受賞、71年には盗塁王を獲得するなど、中心選手としてV9を支えた。80年に現役を引退すると、85年に日本ハムの監督に就任。1年目から新戦力へとシフトチェンジを行った。85年は25歳の田村藤夫を正捕手に抜擢。86年にはルーキーの田中幸雄に一軍を経験させた。投手では87年に高卒3年目の松浦宏明をリリーフで48試合に起用。大卒ルーキーの西崎幸広は開幕から先発ローテーション入りし、15勝を挙げた。若手の底上げにより85年、86年に5位だった成績は87年にAクラスの3位に浮上した。ところが88年は打線の中軸として期待した助っ人二人が開幕前に離脱。西崎、松浦を中心に投手はリーグトップの防御率をマークしたが、3位に入るのがやっとだった。この年限りで退任すると、巨人のコーチを経て2004年秋にGMとして日本ハムに復帰し、初仕事となったドラフト会議でダルビッシュ有を1位指名。06年、監督1年目にドラフト1位指名した田中幸雄とGM1年目に1位指名したダルビッシュが日本一獲得に貢献した。08年から10年はヤクルトの監督。11年からはDeNAの初代GMに就任した。監督として通算7年、854試合、385勝433敗36分、勝率.471。

近藤 貞雄1989-1991

1925年10月2日生。愛知県岡崎市出身。
強打の内野手として岡崎中（現・岡崎高）から法政大へ進む。1943年に大学を中退して西鉄（消滅）に入団、投手に転向した。44年、巨人に移籍し、終戦後の46年に23勝、防御率2.18の成績を残す。同年秋、進駐軍のジープにはねられそうになり右手を負傷する。翌年、未勝利に終わり中日に移籍。ケガをした指を使わずに投げる技術を身につけて50年に10勝を挙げた。54年限りで現役を引退。翌55年から中日でコーチに就任した。60年代から投手の分業制を主張、実践してきた。69年からロッテ、72年から再び中日のコーチを務め、81年に中日の監督に就任。82年にはリーグ優勝に導いている。85年に大洋（現・DeNA）の監督に招かれると、スピードのある高木豊、加藤博一、屋鋪要を1番から3番に起用。「スーパーカートリオ」として売り出した。89年に日本ハムの監督に就任。1年目の89年は投手陣が不調で5位。4月に退場処分を受け、平成初の退場処分者となった。90年は投手陣が復調し、5人が二桁勝利をマーク。野手陣ではウィンタースが35本塁打を記録し、順位は4位ながら勝率は5割を上回った。91年、武田が最優秀救援投手を受賞するも、二桁勝利はケガで途中離脱した西崎のみ。打線も調子が上がらず4位となり、この年限りでユニフォームを脱いだ。監督として通算9年、1050試合、470勝521敗59分、勝率.474。

土橋 正幸1992

1935年12月5日生。東京都台東区出身。
日本橋高卒業後、家業の鮮魚店を手伝いながら軟式野球をプレー。1954年、東映のテストを受け入団した。3年目の57年に初勝利を完封で飾る。翌58年には21勝、防御率2.12と飛躍。同年5月31日の西鉄戦（駒沢）で9連続奪三振のNPBタイ記録をマーク、16三振を奪い日本記録を更新した。61年、キャリアハイとなる30勝、防御率1.90をマーク。62年には17勝を挙げ、初優勝に貢献。日本シリーズでも2勝1敗防御率1.71の成績を残し、種茂雅之とMVPを同時受賞している。63年からは2年連続で20勝。65年以降は故障に悩まされ、67年に現役を引退した。69年から東映のコーチに就任し、日拓時代の73年後期から監督に昇格。前期5位だったチームを3位に引き上げたが、この年限りで退任した。84年にはヤクルトのコーチに就任し、シーズン途中に監督代行、監督に昇格。86年まで指揮を執ると、92年、監督として日本ハムに復帰した。この年、広島から移籍の金石昭人が14勝、ルーキーの片岡篤史が打率.290と新戦力が活躍を見せ、7月終了時点で勝率5割をキープしたが、8月に8連敗を喫し失速。借金19の5位に終わり、契約を1年残してチームを去った。日本ハム退団後は解説者として活動する傍ら、沢村賞の選考委員を務めた。監督として通算5年、549試合、221勝303敗25分、勝率.422。

上田 利治1995-1999

1937年1月18日生。徳島県海部郡出身。
海南高から関西大を経て1959年、捕手として広島に入団するが、選手としては目立った成績を残せないまま61年に引退。引退後は広島、阪急でコーチを務め、74年に阪急の監督に就任。75年からはリーグ4連覇、日本シリーズ3連覇を達成し、阪急に黄金時代をもたらした。78年の日本シリーズではヤクルト・大杉勝男の打球の判定に1時間19分の猛抗議を行った。この年限りで監督を退くが、81年、阪急の監督に復帰し、84年にリーグ優勝を果たした。95年、日本ハムの監督に就任。2年目の96年にはグロスが17勝、西崎幸広が14勝と2本柱が安定感を見せ、今関勝、岩本勉といった若手投手も台頭。前半戦を首位で折り返す。ところが9月に入ると8連敗。連敗中、「家庭の事情」で監督を辞任する。チームはオリックスに逆転を許し、2位でシーズンを終えた。同年オフに辞任を撤回、監督に復帰するも、翌97年は投手陣に負傷者が続出し４位に終わる。98年は公募で名づけられた「ビッグバン打線」が機能。混戦を5月の7連勝で抜け出すと、首位を独走。一時は2位に9.5ゲーム差をつけた。ところが8月に9連敗と失速。9月も大きく負け越し、西武に逆転され優勝を逃した。99年は監督通算1300勝を挙げるが、この年限りで監督生活に別れを告げた。監督として通算20年、2574試合、1322勝1136敗116分、勝率.538。

大島 康徳2000-2002

1950年10月16日生。大分県中津市出身。
中学まではバレー部に所属。中津工高で本格的に野球を始め、68年のドラフト3位で中日に入団した。3年目の71年、一軍初出場の試合で本塁打を放ち、一軍に定着。72年からは3年連続で二桁本塁打記録し、代打の切り札として活躍した76年には7本の代打本塁打を放ち、日本記録を更新している。翌77年にレギュラーを獲得し、打率.333をマーク。83年に36本塁打で初タイトルとなる最多本塁打を獲得した。88年、トレードで日本ハムに移籍。90年に史上最年長で2000本安打を達成。94年限りで現役を引退した。引退後は解説者を経て2000年に日本ハムの監督に就任。1年目、4月は貯金6の首位と好スタートを切ったが、以降1か月ごとに勝ち越しと負け越しを繰り返す、目まぐるしいシーズンとなった。投手陣は安定感を欠いたものの、チーム打率、本塁打、得点、盗塁はすべてリーグトップを記録し、Aクラス入りを果たした。2年目はケガ人が続出し最下位。02年は開幕前に球団の北海道移転が判明。浮足立つ選手、スタッフをまとめ上げ、前半を貯金1で折り返す。しかし、8月に18敗を喫するなど失速し5位。最終戦終了後、選手たちに胴上げされ、同年限りでユニフォームを脱いだ。06年、WBC日本代表の打撃コーチに就任。チームを世界一に導いた。監督として通算3年、413試合、181勝225敗7分、勝率.446。

トレイ・ヒルマン2003-2007

1963年1月4日生。アメリカ・テキサス州ポッター郡出身。
1985年、クリーブランド・インディアンスと契約。3年間マイナーリーグでプレーした後、スカウトを経て指導者の道に進む。90年から12年間、ニューヨーク・ヤンキースでマイナーリーグの監督を務め、年間最優秀監督賞を3度受賞している。球団初の外国人監督として03年に日本ハムの監督に就任。北海道移転1年目となった04年、投打とも新戦力を積極的に起用しAクラスを確保。この年から導入されたプレーオフ進出に導いた。06年にはスモールベースボールを展開。犠打は前年から倍以上に増えた。これにリーグトップの防御率を記録した投手陣がかみ合い、西武、ソフトバンクとの三つ巴の戦いを制して、ペナントレースを1位でフィニッシュ。プレーオフも制し、チームを北海道移転3年目でのリーグ優勝に導いた。中日との日本シリーズでも付け入る隙を与えず、4勝1敗で日本一。続いて行われたアジアシリーズも制した。優勝インタビューで発した「シンジラレナ～イ」は広く知れ渡り、この年の流行語大賞のトップ10に入っている。続く07年は交流戦での12連勝を含む14連勝を記録し、球団史上初のリーグ連覇を達成。同年限りで退任した。退団後はアメリカ、韓国で監督やコーチを歴任。23年に日本ハムとコンサルタント契約を結んだ。NPBの監督として通算5年、683試合、349勝320敗14分、勝率.522。

梨田 昌孝2008-2011

1953年8月4日生。島根県浜田市出身。
浜田高では3年時に春夏連続で甲子園に出場している。1971年のドラフト2位で近鉄に入団。強肩を武器に台頭するが、有田修三と併用されることが多かった。79年、正捕手に定着。球団初のリーグ優勝に貢献した。この年から3年連続でベストナインとダイヤモンドグラブ賞を受賞、リーグを代表する捕手となった。88年に現役を引退すると、93年にコーチとして近鉄に復帰。二軍監督を経て2000年から一軍で指揮を執る。01年、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導くが、04年に近鉄がオリックスとの合併で消滅。この年限りで退任した。08年日本ハムの監督に就任。08年は多くの故障者を抱えながらも3位を確保。09年は開幕から3連敗を喫したが、すぐに立て直しを図り、ソフトバンクとの首位争い争いを制して優勝。CSも制したが、日本シリーズでは巨人に敗れた。選手、監督で4度出場した日本シリーズではすべて敗退している。11年、7月に球団通算4000勝を挙げた。この年は序盤からソフトバンクと首位争いを演じたが、後半に入ると失速。2位でシーズンを終えると、CSではファーストステージで2連敗を喫し敗退した。在任4年間の成績は3位、優勝、4位、2位。すべてのシーズンで勝ち越している。退任後、18年から楽天の監督を務めた。監督として通算12年、1612試合、805勝776敗31分、勝率.509。

栗山 英樹2012-2021

1961年4月26日生。東京都小平市出身。
創価高から東京学芸大に進学。1983年、ヤクルトのプロテストを受け、ドラフト外での入団を果たす。俊足を活かした外野守備でファンを魅了。89年にはゴールデングラブ賞を受賞している。しかし三半規管の難病であるメニエール病に悩まされ、90年に現役を退いた。12年に日本ハムの監督に就任。エース・ダルビッシュ有がメジャーへ移籍するなど下馬評は決して高くなかったが、中田翔を四番に固定し、西川遥輝、中島卓也といった若手を積極的に起用するといった采配が功を奏し、監督就任1年目でリーグ優勝を果たした。オフにはメジャー挑戦を表明していた花巻東高・大谷翔平をドラフトで指名。自ら交渉に乗り出し、入団へと導く。13年、高卒ルーキーの大谷を投打二刀流で起用し、話題となった。16年は最大11.5ゲーム差をつけられながらも、6月後半から15連勝し、首位ソフトバンクを猛追。9月の直接対決を制し、優勝へと導いた。CSでは1番に起用した大谷が先頭打者本塁打を記録するなど采配が的中。日本シリーズでは2連敗からの4連勝で日本一に輝いた。21年シーズン終了後、監督を退任。同年12月に日本代表の監督に就任すると、23年のWBC優勝に導いた。22年から日本ハムで新設された「プロフェッサー」に就任。24年からはフロントの要職に就く。監督として通算10年、1410試合、684勝672敗54分、勝率.504。

新庄 剛志2022-

1972年1月28日生。福岡県福岡市出身。
2006年の現役引退後はタレントに転身。野球界とのかかわりは薄れていたが、19年にSNSで現役復帰を宣言。20年の12球団合同トライアウトに参加したが獲得球団は現れなかった。翌21年10月、日本ハムから監督就任が発表され、22年の開幕前に登録名をBIGBOSSに変更。本拠地開幕戦ではホバーバイクに乗って登場するパフォーマンスでファンを驚かせた。22年を「トライアウトのシーズン」と公言し、負傷のジョン・ガント以外、支配下登録68人全員を一軍の公式戦で起用。若手の台頭を促した結果、投手では吉田輝星、石川直也、古川侑利、根本悠楓、野手では清宮幸太郎、松本剛、万波中正といった選手たちが、出場試合数を大きく伸ばした。新球場での1年目となった23年は、登録名を新庄剛志に変更。7月に39年振りとなる13連敗を喫し2年連続の最下位に終わったが、万波はこの年ベストナイン、ゴールデングラブを獲得し、5年目で大ブレーク。この年加入した田中正義は抑えに定着、25セーブを挙げる活躍を見せた。シーズン終了後、エスコンフィールドでの秋季練習を実施。守備強化とともにスタンドを無料開放するなどファンサービスを行った。オフにはオリックスからFAの山崎福也、台湾の156キロ左腕・孫易磊といった補強を行い、巻き返しを図る。23年まで監督として2年、286試合、119勝163敗4分、勝率.422。