Fビレッジの開発と異業種からの挑戦 Fビレッジの開発と異業種からの挑戦

03 冒険って、意外と自分が思っているほど大きなことではない

―― 挑戦をすることで何か変化はありましたか?

斎藤 佑樹

「野球界に恩返しするために自分が何ができるんだろうって考えた時に、まず自分自身の力で前進しようとする姿勢が必要だと思いました。やっぱり野球をずっとやってきたから、他の分野に挑戦するのって結構怖いんですよね。
おそらくプロ野球選手たちもみんな『野球が終わったらどうするのか?』と漠然とした不安はあると思います。でも実は、野球を辞めた後も楽しいものは自分次第で見つけられる。それは自分が一歩踏み出してみないと分からないと思います。どの分野にチャレンジしても、自分がどれだけ頑張れるかがすごく大事だなと、実際に踏み出してみて感じました。一歩踏み出せると、二歩や三歩もいっぱい踏み出せる。僕も今、いろんな事業を挑戦していますが、これは自分の頑張り次第でどうにもなるじゃないですか。だからある程度のリスクがあるものだと予測した上で、まず踏み出して本気で頑張ってみる、そのことで何か開けてくると思います。」

対談写真D
小林 兼

「斎藤さんはパッションがあるし、客観性もありますよね。自分がやりたいことは何なのかっていうのを冷静に考えられるっていうのもすごいんですけど、一方でパッションを伝えて、いろんな人に助けてもらっていると思うんです。やっぱり情熱があるからこそ、『この人を助けてあげたい』と思える会社や人がいるんですよね。
我々も、こういった大きなプロジェクトをやるときには、当然『そんなのできるわけない』とか『やる意味がない』という声もありました。しかし一方で、『こんなすごいことをやろうとしているんだったら、自分たちも一緒に多少リスクを取ってもやりたい』と言ってくれる人たちがいたおかげで、今の姿になっています。やっぱり一歩を生み出すときに、パッションと客観性、あとは材料をしっかり集めて論理的に説明することは何にでも通じる真髄のようなものだと思います。それがすごく大事だなって思っていますけど、斎藤さんもそういった形で事業をやられていますよね。」

対談写真E

2028年新駅開業時のFビレッジのイメージ図

斎藤 佑樹

「僕も引退してからだんだんと感じてきたんですが、周りに説明できる論理的な思考能力や説明能力とパッションがあれば、いろんなことが実現できると思います。今まで不安に思っていたことや、なんとなくやってみたいと思っていたことに対しても、実現を阻害する課題を一個一個潰していくと、『あ、意外といける!』というのが見えてきて、『リスクって意外と無いな』と思えるようになりました。覚悟を持ってやることによっていろんな世界が開くし、自分が知らない、知る由もなかった事業にも展開できて、新たな発展を遂げることがました。」

小林 兼

「周りの人たちも、斎藤さんを知っている人たちは、『斎藤さんってこんな方だったんだ、こんな風に成長しているんだ』と感じていると思います。」

対談写真F
斎藤 佑樹

「ありがとうございます。本当に、自分自身もこんな世界があったのだと驚いている部分もあります。誰しも、自分の理想をなんとなく思い描くじゃないですか。もちろん、野球選手にも理想がある。でも、それが必ずしも叶うとも限らない。特に野球は相手がいるスポーツですし、活躍できない選手の方も多いと思います。本当に活躍できる選手って、一握りだと思うんです。
だからこそ、いろんな冒険をしてもいいんだなって思います。でもその冒険って、意外と自分が思っているほど大きなことではないと思うんです。小さいと思っていて、冒険を少ししてみてほしいなと思います。」

小林 兼

「違う世界線で、球団職員としての斎藤佑樹も見てみたかったです。中途採用受けません?」

斎藤 佑樹

「いいですね。楽しそうですよね。」

小林 兼

「僕の上司でもいいんで。」

斎藤 佑樹

「いやいやいやいや、それは。笑」