Fビレッジの開発と異業種からの挑戦 Fビレッジの開発と異業種からの挑戦

04 職・住・遊・学が近接したまちづくり

―― Fビレッジの開発について、現状やビジョンをお聞きしたいのですが。

小林 兼

「単に建物を建てるだけではないというのは、我々が常々話していることです。当然ファイターズという野球・スポーツ・エンタメであるこのブランドを中核に据えながら、エリアを作っていくというのが正しいやり方だと思います。ファイターズと掛け合わせることで、他の場所には無かった価値を生み出せるかということを常に考えています。実際にこのエリアに通ってくれる人たちの人生がどうしたら彩られるかを考えて、このエンタメの場所を活用していきたいと思っています。
場所のコンセプトとしては、職・住・遊・学が近接したまちづくりを目指しています。普通は働く、住む、遊ぶといった場所をゾーニングで分けてしまうんですが、このエリアにおいては、エンターテインメント・スポーツを中核にして、職・住・遊・学をほどよくミックスしたまちづくりをしていきたいと思っています。私の家族も、KUBOTAさんの農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」でピザ作り体験をしたり、自転車を借りて走ったり、アスレチックを楽しんだり、南国にしか住んだことのない子どもたちが、今では北海道で、しかもこのFビレッジで育っています。
こういったものに興味があるいろんなパートナーさんをどんどん仲間にしていきたいなと思っています。そして、その仲間の一人が斎藤さんだと思っています。斎藤さんも、自分自身で開発に関わるビジネスをファイターズと一緒にやってみたいと、熱量高くとロジカルにお話していただきました。その結果としてFビレッジに、斎藤さんの手がけるSUNNY TERRACE(※)という複合施設ができました。私も家族でよくお邪魔して、回転寿司を食べたり、コーヒーを飲んだり、ピザを食べたりしています。ああいう施設ができたことで、非常に大きな地域へのインパクトがありますね。」

対談写真G ※Fビレッジ内にある「SUNNY TERRACE」
斎藤 佑樹

「SUNNY TERRACEは、ファイターズがこの先さらに盛り上がっていくためにFビレッジで何か自分が貢献できないかという考えから始まりました。これまでいろいろと挑戦して繋がった方々も力を貸してくれて、無事オープンすることができました。それだけでなく、アスリートのネクストキャリアの一例として、野球界に対して何か発信できるメッセージがあるんじゃないかとも思っています。」

小林 兼

「すごくあったと思います。」

斎藤 佑樹

「ありがとうございます。また、新たな何もない場所に野球場をつくり、人が集まってコミュニティが生まれ、子どもたちの笑顔が見られて、彼らが成長し、また次の世代に伝えていく。Fビレッジのこのストーリーが、株式会社斎藤佑樹が掲げる【野球未来づくり(※)】に直結していると思います。」 ※野球未来づくり

小林 兼

「建物を建てるだけではなく、地域やファンのコミュニティを作り、ファイターズ自身がそのコミュニティの一員になって、まちづくりに対して貢献していくという考え方は、これからますます加速していくと思います。」