2013.06.25 TUE
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広報レポート  <千両役者に用意された舞台>

 ヒーローインタビューに現れた姿に、スタンドは大きく沸き上がりました。“その男”は、この日の来場者プレゼントだった陽選手のフェイスマスクと「アジアンフェスタ」の6月29日に配られる烈闘(レッド)Tを着用し、グラウンドに飛び出しました。もちろん、正体は誰もが分かっていたことでしょう。お立ち台で「サンキューでーす」と叫んでマスクを脱ぐと、その下から笑顔の稲葉選手が現れました。

 「ビッキー(大引選手)のフォアボールやツル(鶴岡選手)のヘッドスライディングがあって空気が変わった。球場のみなさんの応援も違っていた。みんなが僕に打たせてくれたんだと思います」。1点を追う8回のドラマでした。アブレイユ選手の内野ゴロで同点に追いつくと、さらにチャンスを作って二死満塁に。打席に立った稲葉選手は「何を考えていたか覚えてない」というほどの集中力で、ストレートを左中間に弾き返して見せました。先頭打者・大野選手の左前打、代走・村田選手の二盗、大引選手の四球、アブレイユ選手の全力疾走、鶴岡選手の内野安打。攻撃陣全員で整えた舞台に悠然と臨み、期待通りに周囲を魅了する。ファイターズの誇る千両役者は、今季満塁機で3打数3安打8打点と無類の勝負強さを発揮しています。

 「4月、5月と苦しんだときに頑張ったのが、つながっているのかもしれない」と稲葉選手は感慨深そうに振り返った稲葉選手。これで10試合連続安打となり、打率は.217まで上がってきました。この日の勝利でチームは6月の月間勝ち越しも確定。この11試合で9勝2敗と、完全に息を吹き返しました。チーム状態とともに上昇気流へ。今シーズンもこの男がチームの命運を左右する存在であることに間違いはなさそうです。

ウルフ投手<6回1/3、球数94、打者25、安打6、三振6、四球1、失点2、自責点2>

「調子は悪くなかったんだけど、あの1イニングだけが残念。リードした状態でブルペン陣に渡したかったね。この後は逆転を信じてとにかく応援します。」

栗山語録

Q.8回、鶴岡選手の一塁ヘッドスライディングが逆転を呼びました
「ツルの気持ちに象徴されるように、何が何でもという思いがこういう結果につながったと思います。勝ち負けを別にして見る人に感動してもらえるようなプレーで、ベンチの気持ちも一つになりました」

Q.5番の鵜久森選手に代打鶴岡選手を送った場面については
「ファルケンボーグに対して一発よりもファウルで粘って四球を選ぶとか、ぐしゃっとした当たりで内野の後ろに落とすとか、配球の読みや気持ち、考え方。一番確率のいいものに向かって選択したということです」

Q.決勝打は復調してきた稲葉選手
「いい形に戻ってきたよね。苦しんだ分、いいことがあると思ってやってきただろうし、稲葉自身が落ち着いて試合に臨めるようになるはずです」

Q.ウルフ選手から7回途中、谷元選手へスイッチしました
「あそこは決めていました。谷元にはファームじゃなく、上で投げながら次の先発の準備をしてもらうつもりだったので」

Q.借金は3になり、勝率5割が見えてきました
「とにかく0に戻れば仕切り直しができるのでね。一日も早くそこに戻れるよう、できることをやり尽くすしかないと思っています」

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