2013.09.01 SUN
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広報レポート <MVP左腕の忸怩と矜持>

 7回のマウンドを下り、ベンチに戻った直後に黒木投手コーチから声をかけられた吉川選手は、うつむいてしばらく顔を上げませんでした。8回の攻撃が無失点で終わり、ベンチ裏に引き上げる表情は憔悴し切っていました。リードを守り切れずにマウンドを中継ぎ陣に譲る――。失策をきっかけにした失点で自責点がゼロだったとしても、昨シーズンのMVP左腕にしてみれば、自分が責任を背負うべき結果だったに違いありません。

 昨年も同じような経験があり、「エラーがあったとしても、それをカバーできなかった自分が悪い」と話していました。この日も5回に適時失策の直後に同点適時打を浴びたことで、忸怩たる思いは一層強くなったはず。それでも、7回までマウンドに上がり続け、大黒柱としての矜持も見せた121球でした。

 今季4度目のサヨナラ負けで9月は黒星スタートとなりました。残り29試合。チーム全体がどこまで昨年の優勝チームとしての矜持を見せられるか。最後の最後までひたむきに戦い続けるだけです。

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