2014.05.09 FRI
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広報レポート<エースへの階段、また一歩>

6回、上沢選手
8回、ホームランの陽選手

まるでノックアウトされた後のような表情で、上沢選手はベンチに腰掛けました。7回まで無失点に抑えて迎えた8回。先頭打者のヘルマン選手に四球を出し、1死一塁となったところで宮西選手にマウンドを託しました。中継ぎ陣のリーダー左腕が問題なくそのイニングを終わらせると、ベンチ前に出てタッチを交わしながら頭を下げました。厚澤コーチは「先頭に四球以外だったら、8回は最後まで行かせていた」と話します。嫌な走者の出し方で球数は117球に達していました。そんな状況での継投策は、発展途上の20歳を確実に勝ち投手にし、さらに、いいイメージを持って次回も投げさせるという首脳陣の思惑があったからです。

先週に続き、球界を代表する先発投手であるバファローズ・金子千尋選手との“再戦”となりました。「絶対に先に点をやりたくないと思っていた」という上沢選手は、走者を背負いながらも気持ちを前面に出すピッチングを披露しました。圧巻だったのは2点リードの4回。無死三塁のピンチでも、4番打者から3者連続空振り三振を奪いました。三者凡退は5回の1イニングだけ。しかし、見ている方や守っているバックを不安にさせない内容は、エースのオーラを身につけ始めているからかもしれません。

移動休日となった前日は、神戸入り後に同い年の近藤選手と新神戸のロープウェイに乗車し、六甲山からの景色を堪能しました。若いカップルや老夫婦に混じっての男2人による“デート”に照れることもなく、堂々と観光を楽しんだといいます。環境に左右されずに振る舞えるところが、マウンド捌きにも表れているように感じられます。ハーラーダービーでもトップに肉薄する5勝目。完投・完封勝利はお預けとなったことが「残念」と話しますが、悔しさをバネにすることで、今後、そのチャンスは間違いなくやってくることでしょう。いまはエースへの階段を登っているところ。いつしか誰もが認める称号を得る日がくることを期待せずにはいられません。

上沢選手<7回1/3 117球 打者29 安打6 三振7 四死球3 失点・自責点0>

先発の上沢選手

「まず完封勝利を飾ることができなくて残念です。4回糸井さんに三塁打を打たれた後は、とにかく相手投手が金子さんだったので一点も許してはいけないと思い、気持ちを前面にだして投げきりました。三者連続三振もよかったのですが、今日はミランダ選手を筆頭に守備陣に助けられた試合だったと思います。8回で先頭打者を出してしまったことが課題になりますが、全体的に粘りのピッチングができたと思います。」

栗山語録

栗山監督

Q.上沢選手が8回途中まで好投して5勝目
「投げていけば相手も研究する。投げる方も意識しない方が難しい中で、3者連続三振とか前に進み始めたかなという手応えはある。あの球数だとあそこまで。いい形で終わらせてあげたかった。頑張ったね」

Q.中島卓選手が結果を出しました
「札幌ドーム3試合を出さなかったから、本人にもいろんな思いがあったと思う。でも、しっかり準備をしていた。とはいっても、金子千尋を打つのは難しいんだけどね」

Q.ミランダ選手が貴重な一打を打ちました
「こんなに変わるんだな、というくらい変わってきたね」

Q.連敗ストップです
「ホークスに3連敗していたから、どうしても取りたかった。何としても、という気持ちだった」

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