

■広報レポート <星野八千穂 出発進行!>


転がり込んだ白星ではない。2-2の7回2死一、二塁。カウント2-1から外角低めに構えた鶴岡のミットに、2番手・星野の投じたストレートが吸い込まれ大引を見逃し三振に切り捨てた。相手に傾きかけた嫌な流れを断ち切ると打線が2点を勝ち越し。渾身の投球を見せた3年目の右腕がプロ初勝利を自力でたぐり寄せた。
舞台は一度プロの厚い壁にはじき返された札幌ドームだった。04年3月、JR北海道の一員として日本ハムとの練習試合に先発。小谷野にいきなり先頭打者アーチを運ばれ「記憶にないくらい打ち込まれ」0-7と大敗した。しかし、そこが無名投手の始発駅。JR手稲駅で毎日ホームの清掃や改札業務にあたる傍ら、練習量を増やして“快速列車”へと駆け上がった。
プロ入り後も臨時停車(挫折)のたびに自問自答。「すきがあるから打たれる」とファームでは毎日グラウンドに一番乗りするようになった。食生活も野菜中心に変えるなど真剣な姿に、中垣チーフトレーナーは昨秋から「来年戦力になるのは星野」と言い続けてきた。
今年のオープン戦で経験済みとはいえ、公式戦初のお立ち台は控えめに言葉を発した。吉井投手コーチからはベンチ裏で「ここから出発進行!!くらい言うたらJRの人も喜んだのになぁ」と駄目だしを食らったが、威勢のいいアナウンスは次回の楽しみとしておこう。
■武田勝投手 <6回2/3、打者25、球数86、安打5、本塁打2、三振3、失点2、自責2>

「序盤は自分の思った通りにボールをコントロール出来ていました。しかし、3巡目くらいから相手打者もボールを旨く絞ってきたところで、コントロールミスが重なってしまいました。本当にもったいないというか…せっかくリードしてくれていたのに、申し訳ない気持ちで一杯です。」
■梨田語録

「今日は非常に雰囲気の重たい試合でしたね。5回までこちらは9安打で2点と、非常にホームが遠かった…中盤までは!!むこうは本塁打2本で同点ですからね。F先発武田勝は良く投げてくれましたが、7回カブレラに対する攻めは反省材料有りでしたね。失投を逃さず打ったカブレラもさすがと思いますが、防げる可能性もあったということを、今後の課題として生かして欲しいですね。今日の継投は本当に難しかったですよ。球数(86球)・イニング(6回 2/3)で同点でしたから・・・。とにかく2番手星野も大引勝負のベンチの期待に良く応えてくれました。初めての1軍登録の今年、初勝利とは思えぬ堂々たる内容・マウンド度胸でしたね!!終盤、武田久・MICHEALにつないでピンチもありましたが、ピンチはいくらでもOKですよ!要はいかに失点をしないかですからね!!監督として失点を許さないことは最重要視事項ですよ!!とにかく重たい雰囲気の試合展開の中で、選手たちは頑張ってくれましたね!!また背中を後押ししてくれたファンの皆さんのお陰で勝ち取った勝利です!!」