

■広報レポート <チームワーク、揺るがず>

おとといの夜、22時を過ぎた頃に電話が鳴った。「明日、練習に行きたいのですが」5月25日の対ジャイアンツ戦で西村から死球を受け左手小指を骨折、チームを離れ治療に専念している森本からだった。迷惑にならぬよう、他の選手が来る前の札幌ドームで報道の方々に挨拶がしたいという。律儀な彼らしく、約束の正午に現れケガの回復具合を丁寧に話した。「一日も早く完治することを願いつつ、自分の出来ることをしっかりやっていきます」努めて笑顔の森本だったが、左手に装着されたギブスが痛々しい。負傷箇所以外は体調万全であるがゆえ、時折見せる厳しい表情から、そのもどかしさを容易に察することが出来た。
「プレーできる人たちの邪魔にならぬように…」という配慮を見せながら、この2日間は報告会見のとき以外、常にチームと行動を共にした。患部に過度な振動が伝わらないよう動きを制限しながら、全体ウォームアップに参加。そればかりではない。自分が打席に立つ訳ではないのに、練習後の野手ミーティングに顔を出し、石本スコアラーからのタイガース投手分析に聞き入っていた。「ひちょり、お前ここで何してんだよ!」との仲間からの冷やかしには、「出席は当然でしょ」と切り返し、プレーボール前の緊張を解きほぐしチームに元気を注入した。シートノックの際はベンチに陣取り、皆に声をかけながら拍手をおくっていた森本。勝利のためなら何でも惜しまず行動するその姿は、控え選手として出番の少なかった4年前の光景と少しも変わらなかった。
森本に鼓舞されたファイターズは、ケガで数名の選手が離脱しながらも健闘しているといっていい。森本は、「僕は自分を主力と思っていませんが、誰を欠いても変わらずに、全員で、全力でプレーできるのがファイターズの特徴だと思います」と力を込めて語った。今日の試合は接戦むなしくあと一歩、およばなかったが、最後まで諦めない意地を見せ、セリーグ首位・タイガースに対戦成績を1勝1敗とした。騒がれぬよう、結果を見届けずしてそっと球場を後にした森本は、このあと数週間のリハビリトレーニングを鎌ケ谷でおこなう。森本の思いを無駄にせず、チーム一丸となって戦う姿勢を見せることが、今度は彼に元気を与えるに違いない。
■藤井投手 <3回1/3 、打者17、球数75、安打5、四球2、三振3、失点3、自責点3>

「きわどいところをボールの判定を受け、自分がそれ以上の力を出すことが出来ませんでした。結果として、ボール先行の投球となってしまいました。」
■梨田語録

「今日の試合は勝敗云々もそうだけど、10回の高橋の死球が非常に痛い。まだ診断の結果でどうなるか分からないけれどもとにかく『骨には異常なし』を祈るしかないね・・・。当った場所が森本とほぼ同じ場所なのが気になるね…。先発藤井の後、後続の投手陣が踏ん張って、3点差を同点にまで持ち込んだ選手達は、『最後まで諦めない!!』ファイターズの野球でしたね。結果敗れはしましたが、満員の札幌ドームで大声援を送ってくれたファンの皆さんもきっと選手たちの頑張りを感じてくれたと思います。またこの大声援が本当に選手達の背中を後押ししてくれました。厳しい状況は変わりませんが、気持ちを切り替え次の広島戦に臨みます。」