

■広報レポート <今日の出来事>
試合前、ブルペンでのグリンは非常に調子が良かった。真っ直ぐの勢い、変化球の切れとも申し分なく、誰もが彼の好投を予想した。しかし、結果は5回7失点。他業種と同様にプロ野球も厳しい世界だ。日々の努力や練習の成果が、試合での結果に反映されないことの方が多い。「調子は悪くなかったけど、横浜打線がそれを上回った。今日は脱帽するしかない」と降板後、ロッカーでのグリンは意外にも落ち着いた表情だった。
昨シーズン途中に入団し、エンジンのかからない打線への起爆剤として期待されたミッチ・ジョーンズが今日、正式に退団した。今年に入ってからもファーム生活が続き、1発の魅力を秘めるも結局、本領発揮とはいかず志半ばでの帰国となった。外国人には数十打席で結果を求めるチームがあるなか、ファイターズ首脳は辛抱強く彼の活躍を待ったといえる。
ジョーンズは真面目だった。異国で、今まで経験したものと違う野球に適応するのは並大抵ではない。不満を漏らす外国人選手は、今まで1人や2人ではなかっただろう。中には自分のスタイルに固執し周囲からの意見に耳を傾けない者もいる。しかしジョーンズは、そういった類の選手とは違う。コーチの助言に従い変化球対応にも懸命だったし、しばらくジョーンズと共にファームで過ごした坪井は、「試合が遅く終っても、予定を崩さず必ずウエート場でトレーニングしているのは数人だけ。その中の一人がミッチでした」と語る。静かな性格が誤解を受けることもあったが、闘志の表現は人それぞれだ。
戦力外通告後、ジョーンズと会った。「ありがとう」と彼から会話を切り出してきた。シーズン途中で去っていく選手に、何と声をかけてよいか返答に窮した。「素晴らしい仲間とプレー出来た日本では、悪いことばかりじゃなかった。結果を出せず皆には本当に申し訳ない。次の人生をしっかり歩んでいくよ」と精一杯の笑顔を見せ握手を交わしてくれた。そして本人の希望で、出産を控えた妻、おもちゃのバットを振り始めた長男と共に、早々に今日、アメリカへ帰っていった。
今日の試合では、入団6年目の紺田がプロ入り初ホームラン、5年目の渡部龍一がプロ入り初ヒットを記録した。フィールドを去る者がいて、数年の努力がようやく形になった者もいる。プロ野球の繁栄は、多くの若者の日々の挑戦によって支えられている。成績だけがすべてではない、何かがある。
■グリン投手 <5回、打者26、球数103、安打9、三振5、四球3、失点7、自責7>
「今日の状態は、決して悪くありませんでした。調子が良いと思っていたのに打たれたということは、横浜打線がそれを上回っていたということです。結果が出なかったので納得の投球とはいきませんが、彼らのアプローチに脱帽するしかありません。」
■梨田語録
「今日は負けより稲葉の死球が痛いね。グリンは雨の中よく投げたけど、初回に仁志選手にカウント2-0からヒットを打たれたのがね。調子が良すぎてなのか、配球ミスなのか…?ベテランを乗せてしまったし、送りバントをヒットにしたのがすべてかな!!紺田の初ホームラン、渡部の初安打、若い選手も力を付けてきていると思うけど、交流戦で頭を取って連勝出来ないのはまだまだ力不足かな…。」