2008.06.18 WED
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■広報レポート <視線の先に>

 ゲームセットが告げられても、なお闘争心はなえていなかった。7回2失点の好投が報われず、プロ初黒星を喫した多田野はカープのヒーローインタビューが続くグラウンドに視線を向けながらベンチを立とうとしなかった。自分の登板が終われば肩やひじのケアに入るのが通常だが、最後までベンチ裏へ下がることもなかった。
 
 初回に先頭から2連打で無死一、三塁のピンチを招くと、アレックスの打席でボークを宣告された。いきなりつまずいたが、ここで崩れないのが並の新人とは違う。5回にはメジャー時代からの秘球、107キロの山なりスローボールでシーボルを遊ゴロに打ち取った。以前から「使うとしたら負けている時。球場全体のムードを変えられるので」と話していたが、蒸し暑さでいつもよりスタミナの消耗が早いコンディションでコースも高さもストライクという精密さを披露してくれた。
 
 7つの球種にそれぞれ緩急をつける投球術は旺盛な好奇心から生まれるのだろう。登板前日の17日は午前中の空き時間を利用しホテル周辺を散策。「気づいたら原爆ドームに来ていて、ふと見たら市民球場が目の前にありました」と苦笑い交じりに話してくれた。
 
 多田野の力投をフイにしまいと、7回まで無安打の打線は8回に稲田、紺田がヒットを放った。9回2死からはスレッジにもソロ。最後まで諦めないファイターズ野球を見せたがわずか1点が遠かった。悔しくない負けは一つもない。カープ勝利に沸く光景を脳裏に焼きつけ、多田野の向学心はかきたてられたに違いない。

■多田野投手 <7回、球数109、打者26、安打6、本塁打1、三振3、四死球1、失点2、自責2>

「蒸し暑くて体力の消耗が早く、後半いつもより早くばてました。全体的に集中力を欠いて軽率な面がいろいろ出てしまったのは反省点。まだ攻撃が残っているので逆転を信じています。」

■梨田語録

「今日の試合は、良い当たりが尽く相手の好守に阻まれてしまったね…。最終回はスレッジの前に、1人でも走者が出ていれば…。2回のスクイズは、結果的には最悪の併殺になってしまったが、次の打者がP(多田野)だったし、ボークでの失点だったから、出来るだけ早く同点にして、C前田健を攻略したかった。失敗はサインを出した監督の責任ですよ。2点差になってからは、予想以上にC前田健の投球に、キレが出て、苦戦してしまったね。とにかく3安打…打てなかった…。残り2試合、甲子園での阪神戦は、相手も好調を持続している強豪チームですが、ファイターズらしく全員野球で連勝を狙いますよ!!」

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