

■広報レポート <まだ折り返し>
代打・坪井のファウルフライが矢野のミットに納まった瞬間、ファイターズの交流戦連覇はついえた。確かにタイトルに一番近いところにいたことを思えば悔しい。それでもベンチにはすぐさま「切り替えていこう」という言葉が飛び交い、それ以上引きずることはないように映った。
ちょうどこの日がシーズン折り返しの72試合目。1カ月に及んだ交流戦が終わったとはいえ、まだ鞭を入れる時期ではないことは昼下がりの宿舎で分かった。大阪の自宅からホテルに着いた梨田監督と、テレビ取材を受ける上層階に向かうダルビッシュがエレベーターで鉢合わせ。指揮官がジェスチャーで「ベンチ入りしなくていい」と合図すると、その意図をくんでダルビッシュは「分かりました」と一度うなずいた。
敗戦の中にもファイターズらしさは見せた。3点を追う8回。タイガースのマウンドにJFKの一翼を担うウィリアムスが上がると執拗に食い下がった。1死二塁から高口の一塁線突破タイムリーでベンチが盛り上がり、稲葉も左前に弾き返して2点を奪った。「前に日は久保田から2点。こういうしぶとさはリーグが再開した時に必ず生きてきますよ」と4番はしっかり前を見据えた。
翌日がオフというのに宿舎に戻ると食堂にはほとんどの選手が顔をそろえた。自ずと反省会に花が咲くのは実に頼もしい光景だ。ささやかな祝勝会用に用意されたシャンパンは栓を抜かれることなく冷蔵庫へ。心から喜べる瞬間が訪れるまで、キンキンに冷えておいてもらおう。
■グリン投手 <5回、打者21、球数85、安打5、本塁打2、四死球1、三振5、失点4、自責4>
「大事な試合の先発を任されながら、ファンやチームが満足いくような結果を得られず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
■梨田語録
「けが人の多い中、選手たちは本当に良くやってくれたと思います。稲田、紺田、高口を筆頭に楽しみな選手が増えた交流戦でしたね。今日先発グリンの調子はまずまずだったと思います。ただ良い球と悪い球がハッキリしていましたね。序盤のT金本選手の2本の本塁打はさすがに効きました…。終盤の追い上げも届かず、交流戦の連覇は逃しましたが、私を含めて選手たちがこの教訓を今後いかに生かすかが勝負ですね!!普段対戦のないセ・リーグチームとの交流戦は楽しくもあり、また同時に難しさも実感しましたね。27日よりまた試合が始まりますが、ここは気持ちを切り替え、3日間の練習で、再度チームの状態を確認しながら、万全の準備をしてBs戦に臨みます!!」