

■広報レポート <先見の明>


滴る汗をぬぐおうともしない。敗れた試合でも報道陣からリクエストがあれば取材エリアに直行するのがファイターズの慣例だ。見逃し三振を喫して最後の打者となった田中賢だが、今季初4安打、3打点と気を吐き一つ一つの質問に真摯に答えた。「(ライオンズ相手に)競り負けている。だけど追い上げたことはあすにつながる気がします」と顔を上げた。
かつては右手の手荒れに悩んだ。守備についていると苦手な送球がよぎり、極度の緊張で尻のポケットに入れたロジンバックを触る癖が染み付いたからだ。レギュラーを奪い、その座に定着して3年目。平常心でグラウンドに立てる今は指先のかさつきは自然と消えた。
4点をリードされた3回には追撃の右翼線2点二塁打。3、4打席目は先頭で出塁して得点をマークと、スコアブックをカラフルに彩った。前日、金子誠は鮮やかなピンク色のラガーシャツで球場入りした。若手からは「どうしたんですか、金子さーん?でも似合ってる」の声。北海道庁と札幌市役所を表敬訪問したあと二遊間コンビで買い物に出かけ、選手会長の全身コーディネートを田中賢が務めたものだった。
公私にわたり自信あふれるたたずまいは、たとえ連敗を喫しようともチームに安心感を与えるものだ。「ライオンズ戦6連敗?じゃあそろそろ勝つころ。あしたの先発はダルビッシュですし」。そう話すと、日課であるウエートトレーニングへと向かった。
■グリン投手 <4回2/3、打者26、球数98、安打9(本塁打2)、三振2、四死球2、失点7、自責6>

「スコアが示すような展開にしてしまい、ファンや野手の皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。それ以上、今は何も言葉が浮かびません。」
■梨田語録

「先発グりンは、相手打線が振れているので大事に行き過ぎた。良い球と悪い球がはっきりしてるし、2安打で4点を取られるのは、球数も多くなるし、今後の課題ですね・・・。この2試合は早い回の大量失点が勝敗を分けた試合でした。打線も良く点を取ってくれてますが、この2試合は完全に力負けです。明日のダルビッシュに期待しましょう!!」