

■広報レポート <出口は見えている>


紙一重…。2点を追う延長10回裏2死一、三塁で田中賢の放った打球はセンター後方に真っ直ぐ伸びたが、坂口選手のグラブにすっぽりと収まった。惜しい当たりだと言葉をかけたが、今のチーム状況を重く受け止め、背番号3は無言を通した。
連敗が昨年4月以来の6に伸びたとはいえ、ファイターズらしさが見えた一戦だったと言いたい。1-1の4回1死、二塁ランナーの田中賢は相手先発・岸田投手のスキをつき三盗に成功。直後に高橋の勝ち越し左前タイムリーが飛び出した。本塁生還を果たすとそのまま広報が控える部屋に汗びっしょりで現れ「サインじゃないです。流れを変えようと思って。コメント、使ってくださいよ」と珍しく冗舌にアピールした。
今シーズンの戦いを見ると、犠打の数こそ多いものの足を絡めた機動力で仕掛けるシーンがそう目立っていない。いやらしく揺さぶりをかけてワンチャンスをものにする。2回にも糸井が二盗を決めた直後にボッツのタイムリーが飛び出した。8回に敵失、送りバントのあとに代打・高口が詰まりながら左翼線に弾き返して追いつくなど得点シーンを見れば粘りの野球を思い出したと言えよう。
この日、あるファンの方から昨年の優勝パレードで巻かれた紙ふぶきを折ったという千羽鶴が届き、ロッカーに飾られた。いきなり栄光の日々を取り戻すことは出来ないが、奮い立たない選手はファイターズにいないことは確かだ。
■金澤投手 <6回、打者24、球数88、安打6、三振1、四球2、失点3、自責点3>

「調子自体は悪くなかったと思います。初回は何とか3人で抑えたかったのですが…5回、坂口選手のタイムリーも、チームメイトに点をとってもらった直後だけに、しっかりいかなけらばならない場面でした。」
■梨田語録

「金澤は良く投げてくれましたが、打線の援護がなくてね…。打線もチャンスで後1本が出ないのだけど、ファイターズらしく相手のミスにつけこんだりいい走塁が出来てきているので、明るい兆しが見えてきていると思います。明日からまた頑張ります。」