

■広報レポート <あと2つ>


一発出れば同点となる場面で、守護神MICHEALが片岡を空振り三振に仕留めて小さく右こぶしを固めた。2勝2敗のタイに持ち込み、勝負の行方は1日の休養日をはさんで後半の3試合へ。3回にCS3本目のホームラン(左越え3ラン)を放ち、ヒーローインタビューを終えたスレッジが沸き立つレフトスタンドを感激の表情で見続けた。「世界一のファンがついているね」と背番号10はうれしそうに微笑んだ。
助っ人のバットが振れていることに加えて、武田久が完全復活を告げる快投でライオンズの反撃ムードを断った。先発の武田勝が5回2失点と踏ん張ったが、6回から登板の多田野が連続四死球で無死一、二塁のピンチを背負った。中村の左犠飛による1点で食い止めると7回も下位打線をきっちり3人で打ち取った。セットアッパー3年目の今季は勤続疲労が抜けず不振にあえいだが、休養を十分にとり独特なホップするストレートが戻ってきたのは実に頼もしい。
3位から初の日本シリーズ進出を合言葉に第1ステージから試合に臨んでいるナイン。この日も出発前の野手ミーティングで鶴岡の「たぶん人生初めて」という2番起用が発表され、驚きの声とともに場が一気に和んだ。帆足との相性を買われての抜擢に鶴岡も1安打1犠打としっかり役目をこなし、ベンチの思惑がピタリとはまる。リーグ優勝アドバンテージをのぞけば2勝1敗。流れはファイターズに来ている。
■武田勝投手 <5回、打者19、球数76、安打3、四球1、三振3、失点2、自責点1>

「序盤から球が高かったのですが、自分のテンポを崩さないようにだけ気をつけて投げました。守備で助けられたり、早い回に点数をとってもらったり、チームメイトに助けられたおかげで、先発として最低限の仕事をしたと思います。あとは、仲間を精一杯応援するだけです。」
■梨田語録

「外野手が左打者ばかりだったので打線を組替え(鶴岡を二番)たんですが、周りも機能してくれたので良い点の取り方で結果良い形になりましたね。小谷野の再三の好プレーに助けられたのが大きかったです。二番手多田野はストライクが取れるので(マウンドに)あげたんですけど四球・死球だったので武田久に代えた結果、良い仕事をしてくれました。今日で2勝2敗ですが、ビジターなので1つ負けている気持ちで明後日からも頑張ります。」