

■広報レポート <悲観は無用>


1点を追う9回2死一塁。スレッジ選手が放った打球はレフトポールのわずか左に切れました。あすの先発に備えてタクシーで家路についていたスウィーニー選手がラジオから聞こえてくる実況の叫びに大慌てで電話を入れてきたものの、ファウルと分かって「惜しいなあ」と声を上げたほど。最後は捕邪飛に倒れて開幕2連敗と紙一重のところで今季初白星をファンに贈ることができませんでした。
先発の藤井選手が初回、3回とも2死無走者から捕まり、序盤で5点を追う展開。直後の3回から金子誠選手の今季初アーチにヒメネス選手の来日1号などでクロスゲームに持ち込むと、若手投手陣が必死のリレーで追加点を許しません。中でもドラフト7位入団の谷元選手が7回途中から登板して1回1/3を無失点。ルーキーらしからぬ安定感をオープン戦から6試合、防御率0・00を継続しているのは頼もしい限りです。
社会人時代は海水魚の「カクレクマノミ」を飼育していたそう。「水が蒸発してくると塩分濃度が上がったり、飼うのが本当に難しいんです」。166センチの小兵が“ニモ”のように大海を泳ぎまわる活躍を見せてくれれば、強力ブルペンに厚みが増して先行逃げ切りパターンに持ち込めます。この2試合、リードを許す展開が続いていますが、先取点を奪えばこの流れを断ち切れるはずです。
■藤井投手 <3回、打者18、安打5、四死球4、三振0、失点5、自責点5>

「四球が多かったのと、2アウトから点を取られてしまったのが反省点です。」
■梨田語録

「9回、スレッジの(レフトポール際の)ファウルは距離的には十分。フェアになれと信じたんですが、残念でしたね。12安打を放ちながらもなかなか点につながらないのは、先行されるとどうしても打ちに行って併殺が多くなる。こちらが先行して逃げ切る展開にしたいところです。先発の藤井は2死から四球がらみでの失点が多かったね。昨日落として全ての投手をつぎ込んで、という気持ちでいったのですが、坂元以降はまずまず抑えてくれて次につながるのかなと思います。」