

■広報レポート <表舞台>
神妙な面持ちでダグアウトに座っていた谷元選手。武田久選手が最後の打者を打ち取るとようやく笑顔がこぼれました。12球団新人投手として一番乗りで勝ち星を挙げました。チームメイトからは握手攻めに合い、勝利球が渡されると大事そうに両手で受け取りました。
6回に先発藤井投手が先頭打者を歩かせたところで登板。単打と四球で満塁としますが、ライオンズ打線を併殺崩れの1点に抑えました。「1点取られて、負け投手になるかなと思っていました」という谷元選手。7回は三者凡退に押さえ、ベンチ裏でアイシングをしていたときにテレビで坪井選手の勝ち越し犠牲フライを見ました。
中部大学卒業後、全国的な知名度はないバイタルネットで野球を続けていました。雪に埋もれる冬には室内でしか練習できず、あまり日の目を浴びる機会のない選手でした。昨年末のドラフト会議でもファイターズでは最下位指名の7位。しかしキャンプでは伸びのあるまっすぐを低めに集めるピッチングを続け、キャンプ終盤で一軍に昇格。しかしランニング中に軽い捻挫をしてしまい、再びファームで調整という障害を乗り越え、開幕を札幌ドームで迎えました。新人とはいえ、マウンド上で緊張するそぶりはほとんど見せない堂々とした投球で表舞台に立ちました。
球界最小兵投手ということで、記者からよく身長のことを聞かれますが、「そのことを聞くのはそろそろ勘弁して欲しい」と苦笑い。しかし今日マウンドに立っていた谷元選手はとても大きく見えました。
■梨田語録
「こっちはこつこつ打って粘り強く、あっちはこん、こんとホームランで点を取られた試合だったね。満塁の場面を谷元が何とか1点で凌いでくれたのが大きかったね。その後建山、久とつないでいけたし。打線は小谷野と信二がつながってくれたね。大野が先制タイムリー打ったし、全員で勝った試合でした。9回の追加点は代走糸井じゃなかったら中村もエラーしてないかもね。(このところずっと打線が調子いいが)いつ悪くなるか分からないからね。みんながみんな調子が良いわけではないけど、球数ほうらしてるのがいいね。(昨年のチャンピオンチームに勝ち越したけど)まだ始まったばっかりだからね。」