

■広報レポート <いかなる境遇でも>


最後はスレッジ選手が延長11回の熱戦に決着をつけるライトへの犠牲フライ。3万5千人ものファンの目はもみくちゃにされる助っ人とともに、ホームを駆け抜けたもう一人の‘主役’を追ったことでしょう。この回先頭で放った中前打を含む自身2度目の5安打と大暴れした森本選手は「5回出塁していい流れを作れたと思います」と話し、アンツーカーで胸も尻も汚れたユニフォームが獅子奮迅の働きを証明していました。
今シーズンは糸井、紺田選手らとの併用でここ数年、レギュラー磐石だった立場から変化がありました。それでも与えられた場面で結果を出すのがプロだということをわきまえ、スタメンを外れた日はコンディショニングメニューを多くこなしたり、試合後も一番最後まで残ってティー打撃やウェートトレに汗を流しています。「元々試合で疲れて体調を整える方だけど、その分は補えている。雑念も一切ないですね」と気持ちよく言い切ります。
5回に3安打目となる左前適時打を放つと「勝とうよおいでよ沖縄!ヒッツ!」と命名。桜咲く5月の北海道で1月末に自主トレ先の名護で見た桜を思い起こしたといいます。あるトレーナーは「オフから体の仕上がりが早くて、今年にかける気持ちが伝わってきた」と証言。しっかりと大地に根を張る木々のように、下地作りにぬかりがないからこそ、人々が待ちかねた時にパッと花を咲かすことができるのです。
■藤井投手 <5回0/3、打者20、球数88、安打5、三振3、四死球1、失点4、自責点4>

「初回から飛ばしていって調子自体よかったのですが、カウントを悪くして打たれた本塁打が反省点です。攻めていった結果とはいえ、打たれてしまった僕のミスを野手の皆さんが取り返してくれて感謝しています。」
■梨田語録

「連日の延長戦でしたが、勝てて良かったです。先発藤井はテンポもよく、ゴロを打たせるピッチングで内容は悪くなかったですね。連続ホームラン打たれた後に逆転しましたが、先頭打者に死球と悪い展開だったので変えました。ベテランらしく押すところは押して、引くところは引く投球を見たいですね。17安打放ちながら短打が15本。打線がつながったけどなかなか点が入らなかったね。時には長いのがほしいね(笑)」