

■広報レポート <流れ>


2-2の同点で迎えた8回、2死走者2塁の場面でライオンズ渡辺監督は代打坪井選手との対戦を避け、今季L大沼投手相手に5打数無安打3三振と相性の悪い金子誠選手との勝負を選びました。しかし得点圏打率リーグトップの金子誠選手は3球目を見事にセンター前にはじき返し勝ち越し。9回は武田久選手がきっちりと3人で抑えて60勝目を挙げました。エースダルビッシュ選手をなかなか援護できず12安打を放ちながら3得点に抑えられる苦しい展開だっただけに価値のある一勝となりました。
東京からの移動ゲームにも関わらず猛打賞を記録した金子誠選手は「ナチュラルハイの状態だったからですかね」とつらいそぶりは見せずに笑いを誘いました。「エースの投げる試合は落とせない。苦しみながらも勝てたってのは良かったと思います。この先も6連戦が続くけど、目の前のことをこなしていくしかない。いい流れがきているので、それを壊さないようにしないとね」。いつも試合の流れを作るように、良い流れは壊さないように気にかけているファイターズ一筋16年目のベテランは1試合の「流れ」だけでなく、シーズンの「流れ」にも目を光らせています。
9回の表、ブルペンのモニターで武田久選手の投球を見ていた中継ぎ陣は、1点差の試合を締めるのがどれだけ大変か知っているだけに声を出して応援していました。グランドに立っている9人以外の選手も一緒に戦っているからこのチームは強いんだ。そんなふうに思わせてくれる風景でした。
■ダルビッシュ投手 <8回、打者30、球数119、安打5、三振12、四死球1、失点2、自責点2>

「独り相撲でイライラしてしまい7回は逆転されましたが、あそこで気持ちが切れていたら4点、5点と取られていたと思います。何とか2点で持ちこたえられてよかったです。」
■梨田語録

「ヒットの割りに点が取れず、もう少し追加点が取れていれば楽でしたが粘り強く戦ってくれたと思います。ダルビッシュも2点取られた後にバント三封と2三振で切り抜けたのはさすが。稲葉は調子がよくない中で気合を入れて犠牲フライを打ってくれました。久しぶりに北海道へ戻って3連戦の頭を取れたのは大きいんじゃないでしょうか。」