

■広報レポート <気合の初タイムリー>

ホークスの先発左腕・杉内投手をうちあぐねていたファイターズベンチが、一気に息を吹き返した瞬間でした。3点を追う6回無死二、三塁。打席には中田選手が入りました。フルカウントから振り抜いた一打は、センターの前にポトリ。2者が生還する適時打となりました。
「落ちた瞬間は頭の中が真っ白になりました。気持ちを前面に出していけた。すごくうれしいです」
昨シーズンは1打点を記録していますが、それは犠飛でのもの。適時打での打点はプロ3年目で初めてとなります。期待されていた打撃で大きなアピールができたのは間違いありません。
プロ3年目で開幕一軍というチャンスをしっかりとモノにしたとはいえ、決して簡単につかんだものではありませんでした。キャンプ以降、実戦に入ると好不調の波に悩まされました。キャンプ終盤には95キロあった体重は、開幕直前には87キロまで急降下。キャンプ中にはどんぶりで2杯食べていたご飯も1杯で「お腹いっぱい」とギブアップするほど。オープン戦遠征での宿舎では栄養士から「もっと食べていいですよ」と言われ、苦笑いを隠せませんでした。
「いつまで一軍にいられるか分からないプレッシャーはあった」と言います。その一方で自信は失っていませんでした。キャンプ中から連日特打、特守を敢行。「そんなに練習して疲れちゃうんじゃない?」という広報担当の問いかけに、「みんなやっていることだし、一軍で結果を出すためにやるんだから疲れませんよ」と言い切る表情が印象的でした。いつか必ず努力は報われる。体重が減っても、試合が結果が出なくても、その思いでバットを振り続けてきました。
「チームの勝利に貢献する」という目標はお預けとなりましたが、強烈な印象を残したのは事実。「鳥肌が立つくらいの応援をしてもらえて本当にありがたいです」。札幌のファンの前で、中田選手が大きな一歩を踏み出しました。
■ダルビッシュ投手 <9回完投、打者37、安打7、三振13、四死球1、失点5、自責点3>
「序盤でリズムがつかめずに先制を許し、もう少しで追いつけるというところでまた点をとられて流れを悪くしてしまいました。久しぶりに満員のファンの前で投げられて楽しかったですが、出来れば勝利をプレゼントしてあげたかったです。」
■梨田語録

「2回に2点取られたのが痛かった。1点なら違ったかもしれない。きょうは去年と違うチームみたいでしたね。バント失敗などもあったりしましたから。中田はこれだけファンのみなさんが大声援を送ってくれる中で、打つほうはフォアボールと2打点ですから良かったと思います。二岡は2番という打順はあまり関係ないと思っていますが、機能していると思います。明日の課題?勝つことです。」