

■広報レポート <これぞファイターズ野球>

ファイターズの戦い方とは――。選手全員の意識がひとつになってつかんだ1勝でした。先制、中押し、ダメ押し。一発はなくても集中打で突き放す攻撃を続け、相手を苦しめました。
一度は同点に追いつかれながらも、1本の短打からビッグイニングがスタート。4回1死から坪井選手が左前打で出塁すると、二岡選手が右前打で続きます。2死一、二塁から陽選手の四球で満塁に。そこから3連打で4点を奪い、試合を決めました。1試合で犠打も3度。そのうち2度が得点に結びつくなど、“つなぎの野球”がしっかり実践できた形です。
開幕13試合で2勝10敗1分。さらに、この日の練習中に稲葉選手が背筋を痛めて欠場しました。トンネルを抜け出せない中でのアクシデントに沈みがちになるところ。しかし、田中賢選手会長の提案がチームに活気をもたらしました。
攻守交替の際や一塁までの全力疾走、そしてベンチでの声出し。普段から心がけていることだとはいえ、さらに徹底しようというものでした。勝てないときだからこそ元気よく。ムードを変えるため、誰もが必死に走り、声を張り上げていました。ここ数試合にはなかった空気がベンチには自然と流れ始めました。
1番に糸井選手を据えて、3番に田中賢選手を起用する新オーダーも的中。飯山選手も2番で2安打1打点と活躍し、お立ち台に上がりました。上位打線が起爆剤となり、好調の6、7番につながっていく形ができています。
札幌移転後、札幌ドームでの200勝目も挙げました。マイナス部分を全員で補って勝利を重ねていく。誰でもヒーローになる可能性があるのがファイターズの野球です。みんなでもぎとったものだからこそ、大きな価値のある1勝になったのは間違いありません。
■ケッペル投手 <6回、球数87、打者26、安打5(1本塁打)、三振5、四死球3、失点4、自責点4>

「わき腹の痛みなく試合で投げられました。勝っている状態で次につなげられて良かったと思います。」
■梨田語録

「チームの状態が状態だから、稲葉がいても意識して変更していこうとは思っていたんだけど、先頭打者に起用した糸井、3番に入れた賢介(田中賢選手)と頑張ってくれた。でも稲葉がいないのは痛いですね。飯山、信二らベテラン勢もよくやってくれました。ケッペルは前回の登板で1回しか投げていないから不安だったとは思うけど、意外にすんなりと入ってくれました。四死球からの失点が確かにあったけど、安定した投球だったと思います。」