

■広報レポート <苦しみの先に>
チームメートの手荒い祝福を受け、ロッカールームへ向かう鶴岡選手が満面に笑みを浮かべていました。「ホント、泣きそうになりました」。開幕から26打席に立ちながら1本もヒットなし。27打席目にしてようやく放ったのは、試合を決める一打になりました。7回2死満塁。バットを思い切り振り抜くと、打球は中前に抜けていきました。
開幕して数試合がたったころ、いい当たりが相手野手の正面を突き、「あれでダメなら、どうやってヒットを打ったらいいのかな…」と肩を落としたこともありました。しかし、この日の試合では、いい守備でチームに活気を与えたことが、自らの打撃にも好影響を与えたのかもしれません。
梨田監督が「流れをファイターズに向けてくれた」と話すのが、2点をリードした6回の守備でした。2死一塁でホークス・川崎選手の二盗を阻止。これが直後のビッグイニングのきっかけとなりました。8安打を集中して9得点。その中で生まれた今季初安打。2打点のオマケつきです。
「みんなが楽しそうに野球をやっていた」と振り返るのは、先発したダルビッシュ選手。いつもコンビを組む鶴岡選手との息もピッタリで、5回1死まで一人の走者も出さない完ぺきな投球を見せました。8回を投げて失点はソロアーチでの1点だけ。開幕から4試合連続2ケタ奪三振となる12三振を奪いました。
田中賢選手が3安打2盗塁を記録し、糸井選手も2ランを含む3安打と大爆発。高橋選手も2安打3打点と結果を出しました。稲葉選手の欠場をカバーするように、クリーンアップが奮起した一戦。借金生活が続いているとは思えない明るい空気が、ベンチには流れました。11日の試合で今季初のカード勝ち越しを目指します。
■ダルビッシュ投手 <8回、球数108、打者27、安打4、三振12、四死球0、自責点1、失点1>
「リズムよく投げようと心がけていましたが、味方も点をとってくれました。いいピッチングで、いい試合運びが出来たと思います。何よりもベンチがとても盛り上がっていたのが良かったと思います。」
■梨田語録
「今日のダルビッシュはストレートがすごく速く感じたね。チームのこととかも含めて闘争心があったのかな。打線もいい援護をしたし、1点は取られたけど、前半から飛ばしてくれて形を作ってくれました。鶴岡にヒットが出たのもね。盗塁も刺してくれたし、それで流れをファイターズに向けてくれましたね。(打線の変更は)いろいろやっていかないと。(武田)久もだいぶ良くなっているし、手応えをつかみかけていると思います。」