

■広報レポート <To be continued.>
鋭いライナーがセンター方向に伸びていきましたが、マウンド上のダルビッシュ選手は確信していました。打球はかならずノーバウンドで捕球される――。その思い通りに糸井選手がガッチリとキャッチすると、ベンチへ向かいながら小さくこぶしを握りました。
最大のピンチは6回に訪れました。1死から連続安打と重盗で二、三塁に。そこでまず天谷選手を空振り三振に討ち取り、打席には6試合連続マルチ安打中の4番・栗原選手が立ちました。そこで、島崎投手コーチがマウンドに駆け寄って作戦会議。敬遠する選択肢も示されましたが、右腕の気持ちは揺らぎませんでした。
「逃げる手はなかったです」。初球は151キロのストレート。カウント2―2と追い込み、こん身の1球でセンターライナーにしとめました。そこまで毎回走者を背負う内容でしたが、要所を切り抜けて広島打線を“ゼロ行進”に。8回99球を無失点に抑え、4月24日の楽天戦から通算で28イニング連続無失点の自己記録を更新しています。
今季初めての打席となった3回2死では、チーム初安打の中前打。「思ったよりもボールが見えてましたね」。広島先発の好調・前田健選手との“直接対決”も楽しめた様子。「どういう球を投げるか興味があったし、向こうも自分がどんな球を投げるか見たかったと思う」と持ち球すべてを駆使して貫禄を示しました。
150球を超える登板が続いていたこともあって、9回はマウンドを譲りました。結果的にはサヨナラ負けを喫したとはいえ、ダルビッシュ選手が万全の状態であり続けることは長い目で見れば必要不可欠です。「(連続イニング無失点は)意識せずに、次の試合もしっかり投げたい」と頼もしい限です。
交流戦は3試合目で初黒星となりましたが、ダルビッシュ選手の実力をセ・リーグの打者に改めて見せつけた試合になったことは間違いないでしょう。
■ダルビッシュ投手 <8回、打者29、球数99、安打6、四球2、三振5、失点0、自責点0>
「バッターが打ち気になっている時にまっすぐを動かしながら甘いところに投げ、うまい具合に内野ゴロを打たせることが出来たと思います。後はチームの勝利を信じて応援します。」
■梨田語録
「なかなか点が取れなかったね。ダルビッシュはさすがというピッチングだった。バッティングも内容があったしね。ここまでかなり投げてきたし次のことも考えると、今日はちょっと早めに代えさせてもらいました。中6日であっても、キツイところがあったしね。今日はこっちにもいいプレーがあったし、あっちにもいいプレーがあった。また明日だね。」