2010.06.22 TUE
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■広報レポート <プロ初完封>

 それまでのイニングと同じ気持ちで、武田勝選手は9回のマウンドに上がりました。スコアボードを見れば、ソフトバンク側には「0」が並んでいる状態。プロに入って経験したことのない“高み”を目指す1イニングとなりました。

 「1回のつもりでマウンドに行きました」。まずは先頭の多村選手相手に、2球目を打たせて平凡な右飛に打ち取りました。この試合、打者33人に対して初球からの2球連続ボールは一度もなし。そして四死球もなし。2回までは本調子ではなかったと振り返る左腕ですが、持ち味を十分に発揮した一戦です。

 「攻めの気持ちを忘れずに、どんどんストライクを取ろうと思って投げました」。大野選手が構えたミットに吸い込まれていくようなボールの連続。抜群の制球力で、相手を“早打ち”に出るしかない状況を作り出しました。9回2人目の打者ペタジーニ選手には3球目を引っ掛けさせて二ゴロに抑えています。

 プロ初完封まであと1人。最後の打者となった森本選手には、カウント2-1から右打者に対しての決め球でもあるチェンジアップで勝負。ワンバウンドしたボールにバットは空を切りました。

 「中学生時代以来」と話す完封劇になったものの、派手なガッツポーズを作ることはありませんでした。「作ることができなかった」と苦笑いします。それは、投球がワンバウンドしたため、大野選手は一塁にボールを転送する必要があったから。「自分の時間がなかったんですよ。ボールが一塁に行くのを見てる間に(内野陣が)ワーってマウンドに来ちゃってたんで」。初完投のときも同じような状況になったとか。「僕らしくていいんじゃないですか」と最後は“マサル節”で笑いを誘っていました。

 開幕2戦目を任された左腕には勝てない時期もありましたが、いまやダルビッシュ、ケッペル両選手とともに3本柱を形勢するだけの安定感があります。ウイニングボールはズボンの左後ポケットに忍ばせて「大事に持って帰ります」。その表情は、何かに思いを馳せているようにも見えました。チームはリーグ戦再開から負けナシの4連勝。勢いは止まりません。

■武田勝投手 <9回、球数109、打者33、安打7、三振7、四死球0、失点0、自責点0>

「攻めの気持ちを忘れずに、どんどんストライクを取ろうと思って投げました。初完封?野手のみなさんに助けられたからだと思います。この後は次の登板に向けてしっかり準備していきます。」

■梨田語録

「奨太(大野選手)とのコンビも良かったし、勝がとてもいいピッチングをしてくれた。この間の神宮で初回に4点とられたのが嘘のよう。球数も少なかったから9回も当然行かせるつもりでした。相手からもらった走者で初回に先制出来たのは良かった。欲をいったらもう少し早く追加点が取れればもっと良かったけどね。(連勝中にエラーが少ないことを聞かれ)それもあるかもしれないけど、良いプレーが多いのもあるんじゃないかな?今日も幾つかピンチになったかもしれないところでしっかり守っていたからね。」

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