

■広報レポート <ストレート!ストレート!ストレート!>
こん身のカーブが鶴岡選手のミットに吸い込まれると、球審の右手が大きく上がりました。その瞬間、マウンド上のダルビッシュ選手は大きくガッツポーズ。ベンチまで響く「よっしゃ!」という雄たけびとともに、ナインがその元に集まりました。
序盤は走者を背負う展開となりましたが、楽天打線に与えた得点は1点だけ。五回1死から九回2死まで走者を許さないピッチングを披露しました。132球の熱投で9回を投げ切り、今季8勝目をマーク。チームは再び勝率を5割に戻しています。
「今日はまっすぐが走っていたので、気持ちよく投げられました」と振り返る一戦です。ストレートは常時150キロ超え。体重移動にひと工夫加えたことが、スピードアップにつながったといいます。力のあるストレートに、得意の変化球が決まれば怖いものはありません。八回の3者連続三振を含む10奪三振は、取るべくして取ったといえるものでした。
この13試合で11勝というチームの勢いを止めないのも、さすがエースといったところ。それでも「全員で守り切った」と表現します。一回2死一、三塁から糸井選手、坪井選手が連続適時打を放って2点を挙げて試合を優位に進めると、守備でも好プレーが随所に見られました。四回には1点を失った直後の2死一塁で一塁に入った稲葉選手がファウルゾーンへのライナーをジャンピングキャッチ。チームを盛り立てました。
7月に入っても快進撃は止まる気配を見せません。ダルビッシュ選手は言います。「ファンのみなさんも早く貯金を作るところを見たいと思います。僕たちも一生懸命頑張ります」。一戦一戦を精一杯戦うことで借金を返済してきました。その姿勢はこれからも変わりません。
■ダルビッシュ投手 <9回、球数132、打者34、安打5、三振10、四球2、失点1、自責点1>
「今日はまっすぐが走っていたので、伸び伸びと気分良く投げられました。なかなか仙台ではいいところを見せられなくて、楽天さんにはやられているんで、今日は良かったですね。(初回の2点を)全員で守り切ったし、連敗しなかったのが良かったと思います。」
■梨田語録
「暑い中最初の2点だけで追加点のないまま最後まで逃げ切るとはさすがダル(ダルビッシュ選手)という投球でした。最初のうちは逆玉も多かったけどまっすぐが良かった。球に力がなかったり、へばってたら別だけど、そういうわけではなかったから行けるところまで行かせるつもりでした。雨がふらずに試合が出来たことにも感謝しないとね。初回にいい形で先制できて、坪井にタイムリーが出たのも大きい。いつも言っていることですが、今日は今日、明日は明日。一つ一つやっていきます。」