試合情報

　無駄な得点などないとはいえ、これほど効果的で相手にダメージを与える得点はなかなか見ることはできないかもしれません。適時打あり、本塁打ありと、ファイターズの攻撃野球が発揮された試合となりました。

　まずは二回。併殺の間に1点を先制した直後に打席に立ったのは、大野選手でした。高めの速球を左翼線に放り込む今季1号ソロ。これで試合の主導権を握り、四回には高橋選手が6月30日以来、1ヶ月ぶりとなる適時打で追加点。そしてビッグイニングは五回にやってきました。

　1死三塁で森本選手が右前に落ちる適時打を放つと、稲葉選手が四球を選んで一、二塁。ここで頼れる4番・小谷野選手が、9号3ランを大歓声の右中間スタンドに叩き込んだのです。「とにかくつなごうと思った」と小谷野選手らしく振り返る一撃で、西武を一気に突き放しました。

　小谷野選手は七回にも自身初の2打席連続となる一発を左中間スタンドへ放ち、2年連続の2ケタ本塁打を記録。1試合4打点で今季の打点は71となり、打点王争いに割って入る活躍を見せてくれました。

　1試合でチームは4本塁打。残りの1本は中田選手のバットから飛び出したものでした。直前に5点を失って試合がもつれ始めた六回。追い込まれながらもフォークに反応し、左中間へ会心の当たりを飛ばしました。「手応えは完ぺきでしたね」と笑みがこぼれる3号ソロ。3カード連続アーチで、一軍再昇格後の6試合すべてで安打を放っています。

　中田選手は第1打席で遊ゴロ併殺に倒れた際にバットを折ってしまいました。そのバット、実はプロ1号本塁打を打ったときのもの。一旦はゴミ箱に捨てましたが、「やっぱり持っておいたほうがいいですよね」とバットケースに大事そうにしまう姿がありました。第3打席でアーチを放った新しいバットは、新しい歴史を作る“相棒”となることでしょう。

　投げては、前回の登板で負傷した武田勝選手が中14日で登板し、6回1失点の好投で8勝目を挙げました。「WE LOVE HOKKAIDOシリーズ」で好評だった黄金色のユニホームを再び身にまとい、北海道に戻ってきたファイターズ。勝率5割で乗り切った7月をバネに、上位進出を狙う大事な8月に臨みます。

｢登板間隔が空いていたので、自分自身不安な気持ちもありましたが、ひとつアウトを取ってホッとしてからは自分のピッチングができました。帯広では一昨年の試合で打たれているので何とか抑えたいという気持ちが強かったです。この後はしっかりと応援します。｣

「栄一（小谷野選手）の3点本塁打も、翔（中田選手）のソロも、栄一の2本目も、全部大きい本塁打だった。7回に5点取られて流れが完全に向こうに行ってしまったからね。勝（武田勝選手）は前回登板の怪我もあったし、オールスターで間も空いていたから6回が変えどきだなと。打線の援護もあったけど、うまくかわして抑えていた。（今季3被本塁打の）ブラウンを抑え切れたのが大きかったね。それにしても（7回の）5点は余分だった。」