■広報レポート <エースへの階段>
プロ野球の怖さを実感した1球でした。六回2死満塁。ドラフト1位ルーキーの中村選手は、こん身の速球をはじき返されました。打球は右翼席最前列へ。痛恨の満塁被弾となりました。
「入るかもしれないなとは思いました。ボール自体は悪くなかったと思いますけど」。それまでの好投が、たった1球でふいになる。中村選手本人は決して失投ではないと考えていますが、打者の読みや技術を上回ることが一流投手の条件だと痛感したことでしょう。
もちろん、大器の片鱗を十分に見せてくれたプロ2度目の先発登板でもあります。一回の立ち上がりに左前打を浴びながら、次打者を遊ゴロ併殺に。二回以降も得点を許さず、三回2死から六回1死まで走者を許しませんでした。
「五回まで良かったといっても、いまはまだ悔しさの方が強い」。そう言い切る目は、次の登板を見据えたもの。トレーナー室でアイシングをしながら、大先輩の木田選手と並んでじっくりテレビ中継に見入っていました。
この悔しさは、中村選手の財産になるに違いありません。平成生まれのエース候補のプロ野球人生は、まだ始まったばかりです。
■中村投手 <6回、球数104、打者25、安打5(本塁打1)、三振5、四球3、失点4、自責点4>
「ホームランだけは打たれちゃいけない場面で打たれてしまいました。東京ドームのマウンドは投げやすかったし、それまでいい感じでいけていたんですけど、その分だけ悔しいです。この後は逆転を信じて応援しようと思います。」
■梨田語録
「唐川が良かったね。最後までうまく緩急を使っていた。立ち上がりは勝(中村選手)のほうが良かったと思ったし、5回までは完璧だった。サブローが打った瞬間は入らないと思ったんだけどな。。。(サブローとの)1打席目とのカラミもあって最後真っ直ぐで行ったんだろうけど。。。援護できなかったのもしょうがない。チームでやっていることだからね。」