

■広報レポート <月間MVP男の心意気>
これを“執念”と表現せずに、何と表現すればいいでしょうか。確かに敗色濃厚だったかもしれません。チームに諦めるムードは微塵もありませんでした。頼れる不動の4番・小谷野選手が見せたひと振りが、その思いを体現していました。
6点を追う八回1死でした。代わったばかりの岡本篤選手が投じたストレートをフルスイングすると、打球は左中間スタンドへ吸い込まれていきました。手応え抜群の13号ソロは、8月15日以来となる一発でした。
前日、小谷野選手は8月度の日本生命月間MVPを受賞しました。本塁打2本で29打点。いかにチャンスに強いかがうかがい知れる数字です。ただ、本人は1打点ずつの積み重ねが、球団記録に並ぶ量産につながったと考えています。
「どの打点が一番印象に残っているかって聞かれても、ホント、覚えてないんですよ。他の人のことはよく覚えてるんですけどね」
100を超えた打点だけではなく、安打数や本塁打数もシーズン自己記録を更新。その思いを語る表情が印象的でした。
「数字だけみれば、ほとんどが自己最多になってるんですよね。でも、これが自分の残した数字なのかなって思うときが正直あるんです。だって、僕は1試合1試合一生懸命やってきただけですから。数字を求めると僕はダメになると思いますね。だから、その試合に集中することしか考えないんです」
常にチームの勝利を求める男は、劣勢でも決して諦めません。自分の1本で勝利に近づく可能性が少しでも高くなるのであれば、たとえ敗色濃厚であっても気を緩めることはないのです。
「144試合以上、野球ができるチャンスが僕たちにはある。そんな中で試合に出させてもらえる喜びは、何物にも代えられませんよ。ここで諦める理由なんてないじゃないですか」――。
■糸数投手 <4回、球数91、打者22、安打7(本塁打2)、三振3、四球2、死球1、失点7、自責点7>
「点を取ってもらった後に何とか頑張りたかったんですが…。4点目を取られてから踏ん張り切れなかったのが悔しいです。この後は逆転を信じて応援します。」
■梨田語録
「先制したけれども、(ライオンズ)坂田のボールは入ると思わなかったけどね、逆転されてしまった。糸数は立ち上がりからストライク先行というわけではないけど、球の切れはあった。意外に風があって外野へ飛んだボールが思ったより伸びたりもしてたし、ポテンヒットもあったけど、(4回の)ビッグイニングはもったいなかったね。そのポテンヒットも糸井に優先権があるし、裕志が追いかけてたのが見えてただろうし、声が出ていなかったのかもしれない。糸井のその前の打席はセカンド行かんとあかんね。。。」