2011.04.21 THU
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■広報レポート <快挙より勝利>

 一塁ベースの前でグラブを左手でたたき、小さくガッツポーズを作りました。七回1死一、三塁。この試合で唯一のピンチを一ゴロ併殺でしのいだ直後のことでした。先発したのは武田勝選手。ドキドキが続いた投球を終え、ベンチ裏で大粒の汗を気持ち良さそうにぬぐいました。

 「きょうは最初からゲームに集中できてましたね」。その言葉のとおり一回を三者凡退に抑えると、その後も凡打の山を築きました。六回を終えて、スコアボードに表示されたバファローズ側の安打は「0」。最速130キロながら、相手打線を翻弄するピッチングが続きました。

 七回の先頭打者に中前へのポテンヒットで初安打を許したとき、武田勝選手は「ホッとした」と振り返ります。「ノーヒットノーランなんてさらさら考えてませんでしたよ。ぜーんぜんです。チームが勝ってよかった」。個人の記録よりも、勝利につながる投球ができたことに何よりも満足した表情でした。

 昨年はチーム最多の14勝を挙げた左腕。周囲の期待が高まる中、本人は気持ちをリセットして今季に臨みました。「“勝ち頭"ってのは、もうやめましょうよ。去年は去年、今年は今年なんだから」。キャンプ中にそう話し、新しいシーズンを迎えていたのです。

 顔色ひとつ変えずに投げ込むマウンドさばきは相変わらず。どんな場面でも冷静さを失わない姿は、『Doctor(医者)』や『Surgeon(外科医)』とたとえられるほどです。7回を投げて2安打無四球無失点。らしさ全開で自身2連勝を飾りました。

 その武田勝選手が「あの1本のおかげで乗っていけた」と話すのが、二回に飛び出した中田選手の今季1号アーチ。開幕19打席ノーヒットというトンネルを抜け出した若きスラッガーは、「振れるようになってきた感じはあります」と白い歯をこぼしました。

 今季初の同一カード3連勝で貯金は2。同率とはいえ、2年ぶりの首位に立ちました。

■武田勝投手 <7回、球数85、打者22、安打2、三振6、四球0、死球0、失点0、自責点0>

「最初から集中して試合に入っていけました。コントロールも良かったし、大野のリード通り投げられました。六回までヒットを打たれていなかったのは知っていましたけど、あまり意識することなく集中できていた。目の前のバッター1人1人としっかりと対戦できたと思います。残り2イニング、しっかり応援します。」

■梨田語録

「武田勝のペースだったね。大野もいいリードをしたし、しんを外してうまくかわしていた。バッターが崩れるような形が多かったしね。いつ替えようかタイミングが難しかったけど、ヒットを打たれて替えやすくなったかな(笑)。中田はヒットが1本出て打点も挙げて今日はホームランでしょう。最後のヒットも追加点につながった。稲葉、とホフパワーの後に長打が打てる選手がいるのは大きい。今日の1本は本人にとっても、チームにとっても大きいですよ。」

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