2011.04.22 FRI
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■広報レポート <粘り>

 フルカウント。12球目。高めにきた変化球をはじき返すと、打球はレフト前に落ちました。大きく沸いたベンチを見て、一塁ベースに到達した陽選手は満面に笑みを浮かべました。同点に追いついた直後の九回2死一、二塁。最高の場面で決勝打を放ったのは、それまでの打席で辛酸をなめてきた男でした。

 「4三振してたんで何とかしたかった。最後のチャンスだったから、何とか前に飛ばしたかった」。最後の打席で汚名を返上。陽選手は、ホッとした表情も浮かべながらヒーローインタビューを受けました。
ベンチに入っていた全員の“粘り"が、土壇場での逆転勝ちを呼び込んだ一戦です。先発・ケッペル選手は四回に同点に追いつかれ、五回には勝ち越しを許しました。それでも、八回までマウンドに立ち続けました。今季初勝利は粘りで勝ち取った以外の何物でもありません。

 1点を追う九回2死一、二塁で打席に立った田中賢選手は、カウント0-2と追い込まれてから同点中前打。失点に結びつく失策を取り戻す1本に、一塁ベース上で清水コーチと力強くタッチを交わしました。

 「九回は総攻撃をかけた」と振り返るのは梨田監督。この日誕生日だった中田選手が1死から左前打で出塁すると、代走に村田選手を起用。さらに、次打者の大野選手が初球で送れないと判断すると、代打・今成選手を投入しました。結果は遊ゴロで二塁封殺はあったものの、今成選手は全力疾走で一塁に到達。さらに、金子誠選手には
二岡選手を代打に送り、遊撃への内野安打。一、二塁となったところで一気に2人に代走を投入しました。「その2人とも還ってきてくれたね」。指揮官は満足そうに笑いました。

 守護神・武田久選手が1点を守り切ると、ベンチは今年最高の歓喜の雄叫びに包まれました。ファイターズらしい全員野球でもぎ取った逆転での1勝。これで5連勝です。

■ケッペル投手 <8回、球数137、打者36、安打9、三振3、四球2、死球0、失点3、自責点1>

「自分のことよりも、チームにとって本当に大きな1勝になったことがうれしい。去年の序盤にはできなかった勝ち方ができたんだから大きいよ。」

■梨田語録

「2点を先制したけどすぐ追いつかれて守備のミスもあって勝ち越された。ただ、粘って1点差でいけたから。二岡がつないで賢介もつないでくれた。粘り強さを出せたね。陽は4三振してたけど、三振は他のアウトと同じだから。あの粘りはすごかったね。取り返すチャンスはあるということ。送り出す限りは信頼しているから。野球はこういうものだという教訓になったよね。賢介はうれしかったと思うよ。小谷野にもホームランが出たし、中田もいいところで打ってくれた。ケッペルは行けるところまで行かせてあげたかった。これで開幕ローテのピッチャー全員に勝ちがついたのはうれしいね。」

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