2011.05.18 WED
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■広報レポート <もう一度、まっすぐで>

 最後の打者を一塁への平凡なフライに打ち取ると、ようやく笑みがこぼれました。マウンド上に集まるチームメートとハイタッチを交わすシーンが、今年はこれで早くも12回目。武田久選手のセーブ数が、両リーグ最速で2ケタに到達しました。

 昨年は序盤につまずき、復調までに時間がかかった守護神。今季に臨むにあたり、心に誓ったことがありました。「もう一度、まっすぐで勝負したい」。キャンプでの投球練習では、第3クールまで変化球を封印。ひたすらまっすぐを投げ続けました。「例年に比べて球数も多かったですね」。ハイペースともいえる調整は、開幕ダッシュにしっかりと結びつきました。

 「ここまではどんなボールでも勝負できてますね」と話します。自信を取り戻したストレートやシュートを大胆に内角へ投げることで、キレのいい外角へのカーブやスライダーも生きています。ここまで12試合で11回1/3を投げ、許した安打は4本だけ。さらに四球も1度だけと、抜群の安定感を披露しています。

 もちろん、好投の要因は武田久選手らしいボールが戻ったからだけではありません。「大野がすごく研究してくれてますから。成長を感じるところはありますよね」。2011年シーズン版のピッチングスタイルは、一人で確立したものではありません。

 中継ぎ投手陣からの信頼も厚く、セットアッパーに転向した増井選手は「中継ぎの心構えや、いろいろアドバイスをもらっています」。ミーティングでは、最後まで若手投手陣や捕手陣と熱く対策を練る姿も。その一方で、控え室で一般紙を熟読する“社会派”の一面もあります。

 《武田久にとってクローザーとは?》そんな問いに「みんなが『抑えて当たり前』と思ってるポジション」と苦笑しながら答えてくれたことがありました。試合を決める立場だからこそ感じる、苦悩や葛藤を抱きながらマウンドに立つ男。その右腕が事も無げにセーブを積み重ねるとき、チームは確実に“常勝状態”にあるのです。

■ダルビッシュ投手 <8回、球数127、打者29、安打5、三振5、四球0、死球1、失点0、自責点0>

「きょうは最初からあまり良くなくてストレートも走ってなかったし、コントロールもよくなかった。ただ、七回から(まっすぐは)動かすピッチングをしたことで楽になりました。あとはチームの勝利を願うだけです。」

■梨田語録

「なかなかしんどい試合でしたね。ダルビッシュも立ち上がりは良くなかったけど、(バレンティン選手への)併殺が非常に効いて元気がまた出たなと。どうしてもダルビッシュのときは先制したいからね。中田もよく打つし、2点目、3点目も効果的だった。金子が打ってくれて、稲葉の犠牲フライで陽もよく還ってくれた。ピッチャーが元気になるような点の取り方でした。エースで勝てるのは大きい。次は武田勝のときに大量点を取って、何とか勝たせてあげたいね」

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