

■広報レポート <Welcome Back!!>
フルカウントからの速球を逃さずはじき返した打球は、右翼手の前でワンバウンドしました。一塁ベース上で笑みを浮かべる鶴岡選手の姿に、ベンチは大きく盛り上がりました。今季初出場は七回1死での代打。その打席でいきなり初安打を記録しました。
「開幕が一ヶ月半遅れましたけど、鶴岡、ただいま戻りました」。イニングが終了して交代が告げられ、ロッカーに戻るとチームメートから握手攻め。満面に笑みを浮かべるのではなく、安どの表情だったのが印象的でした。
開幕直前、調整のために出場したイースタン戦で自打球を当てた眉間付近を骨折しました。当たり所が悪ければ選手生命すら奪われかねなかったアクシデント。幸い視力などに影響はありませんでしたが、そこからリハビリがスタート。順調に回復し、イースタン戦で試合勘を取り戻してようやく一軍登録にこぎつけました。
「今年のムードメーカーは誰?」。オフの時点から選手がもっとも多く名前を挙げたのが、この鶴岡選手でした。愛すべき“イジられキャラ”の存在は、チームにより一層の活気をもたらしています。そして、今季初打席でヒット。昨年は最初の1本が出るまで時間がかかりましたが、二岡選手に「これで開幕20打席ノーヒットはなくなったな」と声を掛けられると、「感慨深いです」と頭を下げました。
開幕からスタメンマスクをかぶり続ける大野選手が3安打の猛打賞を記録し、しっかりとアピール。鶴岡選手の復帰も刺激になっている様子で「負けません!」とヒーローインタビューで宣言しました。正捕手争いには遅れを取ったものの、鶴岡選手もこのまま指をくわえて見ているつもりはないでしょう。
チーム内の競争が相乗効果として表われるのは間違いないところ。頼もしい男の復活は、チーム力アップにつながっていくはずです。
■梨田語録
「(小谷野選手の負傷は)びっくりしたね。つったようなピリッときたような感じらしい。明日病院に行って検査して画像を見てからね。(試合の)序盤はヒットの割にはもっと点を取っておかないとね。ピッチャーが(打線に)いるから点は入りづらいんだけどね。ウルフは中1日の緊急で行ったんだけど援護してもらったし、中継ぎはランナー出さなかった。先行するのとしないのでは違うよね。昨日が昨日だけにね。大野の三塁打は大きかった。あとは全部単打でしょ。珍しいよね。鶴岡はさすがだね。チームにとっても本人にとっても良かった。ベンチで声も出してくれてた」