

■広報レポート <打ってもスゴイんです>
外に逃げる変化球にバットを合わせると、打球は三遊間を抜けていきました。二回2死一塁で迎えた今季初打席で初ヒット。交流戦ならではの投手による安打を記録したのは、先発したダルビッシュ選手でした。
スコアボードに「H」をともしたのは1度だけではありません。七回1死での第3打席では相手投手の足元を抜けていく中前打。マルチ安打を達成した上に九回には四球を選んで3出塁し、適時打はなくても“恐怖の9番"ぶりを発揮してみせました。
試合後、報道陣に囲まれ打撃についての質問が飛ぶとニヤリと笑いました。「フォークとか使われましたからね」。相手も必死で抑えにかかってきたのを実感した様子です。「しっかり対応できました…でも、何と答えたらいいんですかね、こういう時」とうれしそうに振り返りました。
「たまたま当たっただけです」と本人は謙そんしましたが、梨田監督は目を細めるというより驚きの表情さえ浮かべてひと言。「(代打要員として)ずっとベンチにおいておきたいくらいだね」。もちろん、登板日以外で打席に立つ可能性は低いとはいえ、期待しながら試合を見られる内容だったに違いありません。
投げては相手打線に三塁を踏ませず、11三振を奪って今季2度目の完封勝利。ハーラートップの6勝目を挙げました。防御率もついに1点台に突入。いまのエースを止められるものはなさそうです。
ダルビッシュ投手<9回、球数121、打者31、安打4、三振11、四球1、失点0、自責点0>
「毎試合、自分のピッチングが求められているので、それをしっかりとできるように頑張りたいです。(中日打線は)調子があまり良くないと聞いていたけど、一人ひとりをみると力のあるバッターが揃ってるので、自分のピッチングをしようと心がけました」
■梨田語録
「ダルビッシュは最初1点取ってから『さあ入っていこう』という初球を打たれたけど、その後をしっかり抑えたね。中田は初めての4番でも悪くなかったよ。2打席目のセンターフライとかね。簡単に追い込まれても粘り強さが出てる。段々慣れてくれると思う。他の選手も認めてるから。結果を気にせずに普通にやってくれたらいい。糸井も少しずつ良くなってるし、岱鋼も熱出してから良くなってるから、たまには“知恵熱"出してもいいってことなんじゃないかな(笑)」