

■広報レポート <結晶>
最終回、走者2人を背負うピンチを守護神・武田久選手が凌ぎきると、選手、スタッフ全員がサロンに召集されました。皆がドリンクの入った紙コップ片手に、梨田監督の通算600勝を祝うため集合しました。田中賢選手会長は「まだまだ1000勝目指して頑張っていただきたいと思います。我々選手も力を合わせて頑張ります」と挨拶。接戦をしっかりものにした充実感のこもった「乾杯!」の合唱となりました。
近鉄の監督に就任した2000年の初戦、梨田監督は一つのサインも出せないまま試合が終わったと振り返ります。今年が監督として9シーズン目。試合の機微を読み、7回に2番手・宮西選手が先頭打者にヒットを許すと榊原選手にスイッチ。期待通りに次打者を併殺に仕留め、溜飲を下げました。長打コースの当たりにも、両翼に入った中田、稲葉両選手がすばやい返球でシングル安打に留めた場面も光り、隙のないプレーを浸透させていることも一つひとつの勝利に結びついているのです。
試合前、あと1勝で節目を迎える話題になった時には「今が何勝だとか、考えたこともないのでピンと来ないねぇ」と話した指揮官。祝いの場でも皆に謝意を表しながら、わずか1球で交代した宮西選手の名を挙げ「ミヤ、元気出して頑張ろうな」と声を掛ける場面がありました。気遣いの‘匠'は「まずは次の1勝」と慎重に言葉を選び、足元を見据えています。
■ウルフ投手 <6回、球数88、打者25、安打5、三振2、四球3、失点0、自責点0>
「きょうもバックがしっかり守ってくれた。コントロールはあまり良くなかったけど、何とか粘ることができたと思う。(ケッペル選手が『毎日バント練習した甲斐もあったな』と冗談を言うと、満面に笑みを浮かべて)そうだ、バントも決められて良かったよ。この後はチームが勝てるように応援します。」
■梨田語録
「広くない球場で投手陣がよく投げてくれたと思います。ピンチがありながら要所を締めてくれました。(無失点勝利が続いていることに)シーズン序盤はエラーがあったが、交流戦に入ってほとんど出ていないことも大きいでしょう。(貯金13に)まだ100試合以上ありますので、そういうことは考えず1試合ずつ戦っていきます。」