2011.06.09 THU
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■広報レポート <執念の逆転劇>

 セーフになるという確信は、誰も持つことができなかったでしょう。それは打った選手も走った選手もベンチも同じでした。

 八回に同点に追いついた直後。中田選手が放った打球は、左翼への浅い飛球でした。「さすがにダイさんでも…」。苦い表情を浮かべる若き4番をよそに、ボールがグラブに入った瞬間、三塁走者の陽選手は本塁へとスタートを切りました。

 “ギャンブル”という見方も間違いではないかもしれません。ただ、簡単に得点を挙げられる相手ではないことも誰でも分かっていたこと。「もう行くしかないと思っていたし『行け!』という声も聞こえた」と陽選手は振り返ります。梨田監督も「いちかばちかでも行くべき場面だから」とキッパリ。捕手のタッチよりも、陽選手の右手が早くホームベースを払いました。

 ワンチャンスを逃さない執念が、チーム全員に浸透しています。決勝犠飛の中田選手は「粘って粘って、浅くても何でもボールを前に飛ばせたことが良かった」。直前の1死満塁で同点適時打を放った糸井選手は「それまでの3打席で結果が出てなかったから」と気合を入れて臨んだ打席でした。

 劣勢でマウンドに上がった中継ぎ陣にも執念が感じられました。六回無死一、三塁で登板した石井選手は、最初の打者を三振に打ち取りガッツポーズ。「1点も取られたくなかった。バッターに集中することだけを考えました」。次の打者を二ゴロ併殺に打ち取って無失点で切り抜けると、七回も安打を浴びながら得点を許しませんでした。八回に登板し、3人で無失点に抑えた谷元選手が勝ち投手に。最後は武田久選手が三者凡退の磐石リレーでした。

 久しぶりの逆転勝ちで4連勝。交流戦の勝ち越しを決めました。

■糸数投手 <5回0/3、球数77、打者24、安打8、三振2、死球1、失点2、自責点2>

「先制点を2点一気に取られてしまったのが痛かった。さらに、ランナーをノーアウトで残して代わったので…。せめて、そのイニングはしっかり投げ終えて代わりたかった。この後は逆転を信じて応援します。」

■梨田語録

「キツネにつままれたような試合でしたね。(ドラゴンズ先発の)吉見が良くて、打てる手応えはなかったけど、八回に代打・佐藤の一打で流れをひっくり返した。まだ信じられないですね。(同点打の)糸井は高かったんで捕らえられた。そこで陽がサードまで来ていたのも大きいし、中田の犠牲フライで還ってくれたからね。(飛距離は)全然足りてなかったけど、いちかばちかでも行くべき場面だから。陽の足が速くて相手も慌てたところがある。(得点は)もう少し前に欲しいというのはあるけどね(苦笑)」

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