2011.07.09 SAT
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■広報レポート <相手が嫌がる男>

 しっかりと芯で捕らえた打球は、品のある弧を描いてバックスクリーン左のカメラマン席に飛び込んでいきました。ゆっくりとダイヤモンドを一周した男をチームメートが満面に笑みを浮かべて迎えると、思わず白い歯がこぼれました。

 金子誠、大野両選手の連続アーチで逆転して迎えた五回1死満塁。代打で打席に入った二岡選手は、甘いスライダーを見逃しませんでした。通算6本目のグランドスラムは、ファイターズの一員になって初の一撃。代打としては自身の代打アーチとなりました。

 「二岡がベンチにいるだけで違う」。そう話すのは梨田監督。太ももやふくらはぎに不安を抱えながらの出場が続きますが、一軍に帯同するのは理由があるからにほかありません。「相手が嫌がる野球をやる」という指揮官の理想を体現する存在が、チームの勢いをさらに加速させています。

 プロ13年目の35歳。野手陣だけではなく投手陣からの信頼も厚い男は「ベテランって言われるのはイヤなんだよね」と苦笑します。ただ、自分の立ち位置を誰よりも理解しているのはキャリアがあってこそ。ベンチスタートとなれば、ベンチ裏での準備を怠らず声が掛かるのを待ち続けています。

 この日の出番前には、弟のようにかわいがる大野選手が決勝弾を放って大喜びする場面も。大野選手が武田勝選手との名コンビで勝利をモノにすると、ヒーローインタビューの打診に「今日はあの2人にしてあげて。自分は今度、決勝打を打ったときに行くから」と譲る余裕も見せました。

 1試合3本の本塁打が飛び出し、旭川シリーズは白星スタート。チームはシーズン40勝に到達しました。

■武田勝投手 <7回2/3、球数102、打者30、安打8、三振5、四球1、失点1、自責点1>

「序盤は制球が定まらず、状態は悪かったです。ただ、野手の方々が援護してくれたので、気合を入れなおしていきました。この後は勝てるように応援します。」

■梨田語録

「(1試合3本塁打について)うまくいくときはうまくいくものだね。地方の球場というのもあるかもしれないけど、久しぶりだよね。8番9番で連発なんて考えてないから。その前にチャンスをモノにできてなかったから助かった。(満塁本塁打の)二岡は粘り強くいった。あれは効いた。走らなくてよかったしね。ベンチにいるだけで違う。イニング的に早かったけど勝負かけていった。武田勝も粘ってくれた。いままでは借りてばかりいたけど、今日は少しは返せたかな。スケールズもホームランのあとの1点だったし、ヒットが1本出ることでチームの一員として、本人にとっても良かったよね」

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