2011.08.17 WED
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
1
0
0
0
6
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
R
H
9
15
0
4

■広報レポート <プロ初完封>

 最後の打者を見逃し三振に打ち取ると、大きく息を吐き出しました。誰にもマウンドを譲ることなく9回を投げ切った上に、マリーンズ側のスコアには「0」を9つ並べました。糸数選手が、今季2勝目をプロ初完封で飾りました。

 「まさか最後まで行くとは思わなかった」。イニングが終えるたびに吉井投手コーチが声をかけてきました。しかし、一度も「お疲れさま」と握手を求められることはありませんでした。「やることは同じやぞ。相手をやっつけるつもりでいけよ」。“続投”を意味するこの言葉に、糸数選手は何度もうなずき、目を光らせてマウンドに向かいました。

 この日の勝負球はカーブ。QVCマリンフィールドの強風が、曲がりをより大きくしてくれたといいます。打たれたヒットは4本だけ。中でも四回2死から八回2死まで凡打の山を築き続けました。

 前回の登板で満塁ホームランを浴び、「またファームに行くのかと思った」と振り返ります。ただ、吉井コーチの直訴で“ラストチャンス”が与えられました。見事にモノにした一戦。球場には家族を呼び寄せ、気合も入れました。「いいところが見せられたと思います」と白い歯を見せて笑いました。

 我慢のピッチングを続ける糸数選手を打線も援護しました。二回に今浪選手が先制打を放つと、六回には同じ今浪選手の適時打から6点を奪いました。「オレのおかげで勝てたって言えよ」。ヒーローインタビューに向かう直前、今浪選手からそう声をかけられ「ありがとうございました」とファンの前で感謝を表しています。

 期待に応えられなかった無念を晴らす最高のパフォーマンスに、吉井コーチはこう言いました。「今日があいつのスタートやな」。“ローテの谷間”をしっかりと埋めた今後は、“ローテの一角”を確保するための戦いが始まります。

■糸数投手 <9回、球数117、打者34、安打4、三振5、四死球1、失点0、自責0>

「初回に先頭打者を出してしまってどうなるかと思いましたけど、少しでもゼロを重ねようというピッチングをしたのが良かった。打たれたヒットは4本でも、これだけ長いイニングを投げられるとは思わなかったです」

■梨田語録

「(糸数選手は)最初にエラーでピンチを背負ったけど落ち着いていたし、この間の西武ドームとは別人のようなピッチングを見せてくれたね。うまく風を利用できた。まだ50試合あるし、完投してくれたのは助かった。腕がしっかり振れて、攻めるような感じで芯で捕らえられた当たりも少なかったね。(打線は)ちょこちょこしか点は入らなかったけど、(集中打が出て)助かったね。小谷野のバントはどうかと思っていたけど、2度目は一、二塁で理想のバントをしてくれて形が作れた。陰のヒーローやね。今浪の2本もありがたかったね」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート