

■広報レポート <流れを変えるのは誰だ?>
4点を追いかける九回2死走者なし。そんな状況でも諦める理由はありませんでした。糸井選手が俊足を飛ばして二塁内野安打で出塁し、打席には中田選手。速球をフルスイングすると、打球はバックスクリーン左に飛び込んでいきました。ニコリともせずダイヤモンドを一周した若き主砲の一撃は、チームと自らにカツを入れる8月8日以来となる13号2ランでした。
マリーンズ先発は左腕の成瀬選手。何とか攻略するため、打線には右打者が8人並びました。八回1死一、三塁、鶴岡選手が放った三ゴロの間に1点を返し、28日の二回から続いていたチームの連続無得点を24イニングでストップ。“25イニング目”となった八回は小谷野、鵜久森の両選手が連続安打を放ち、得点につなげています。
絶好調といえる選手はいないかもしれません。もちろん、誰か一人だけが悪いわけでもありません。しかし、チーム打率は前日までリーグトップの.262。歯車がひとつかみ合えば、プラスに転じる要素はあります。
最後に意地を見せた中田選手は、二回に27打席ぶりの安打で出塁。ヒットが出ない間にこんな話をしていました。「どんな調子でも試合に出してもらえてうれしい。だから何とかしたいという思いは強い。それはみんな同じ気持ちだと思いますよ」。
誰が流れを変えるのか。苦しい時期だからこそ、光が見えたときの喜びは大きくなるはずです。4月から7月までの4ヶ月は、貯金を作って乗り切った後に、試練の1ヶ月となった8月。26試合で12勝12敗2分け。31日の一戦は月間勝ち越しをかけた大事な戦いとなります。
■武田勝投手 <6回1/3、球数82、打者29、安打10、三振1、四死球0、失点5、自責5>
「序盤から球が高めに浮いて、打たれるべくして打たれた感じです。このところ集中打を浴びることが多く、そこが課題ですね。低めに丁寧に放れるよう、次の登板からしっかり修正しておきたいと思います。」
■梨田語録
「(対成瀬投手は)いつもと風向きもキャッチャーも違い、外角のストレート中心に攻められ対応仕切れなかった。速く感じていたのか、芯で捕らえた当たりも少なかったですね。鶴岡を起用したのは、この前から大野と武田勝が組んで失点が多かったので。打つ方で成瀬との相性もあって、気分を変える意味でやってみたんですが。中田に一発が出て、8回9回で3点取れたという意味で明日につなげないといけないと思います。」