2012.04.05 THU
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広報レポート <25打席目>

 打てなくても、打てなくても、まったく打てなくても――。スタメン表の4番目に記されたその名前に、チームの誰ひとり疑問を抱くことはありませんでした。「だれにも譲らない」という本人の強い気持ちと「他にはいない」という周囲の思い。その“結晶”が、ダイヤモンドを一周してベンチに戻った男と、出迎える仲間たちの笑顔でした。

 開幕からノーヒットで迎えた8回2死。リードしている場面だったこともあり、この日最後になる可能性が高い打席でした。高めのボールをフルスイングすると、打球は左翼席にライナーで飛び込んでいきました。今季25打席目での初ヒットは初ホームラン。中田選手らしい派手な“目覚めの一打”でした。

 「興奮で何やったか覚えてないんです」。ベンチに戻ると、バットを額に当てて感謝の気持ちを表現。試合が終わってロッカーに戻った後もそのバットを握り、感触を思い出すようにしていました。その横を通り過ぎるチームメートにジョークを飛ばす姿は、いつもの中田選手に戻っていました。

 仲間に支えられて打てた1本でもあります。開幕3戦目の試合後、小谷野選手には「10打数無安打でも、いまから90打数で30本打てば3割に乗るんだよ。それくらいの気持ちで行けよ」と声をかけられました。ロッカーの近い稲葉選手や金子誠選手らのベテランも若きスラッガーを鼓舞してきました。そして、栗山監督。「必ず大きなものを返してくれると信じている。何の不安もない」――。

 今季初めてのお立ち台に上がってひと言。「もう大丈夫です!」。春の到来は遅れましたが、一気に取り戻してくれるはず。4番・中田翔の2012年シーズンが、ついにスタートしました。

ウルフ投手<6回、球数91、打者23、安打5、三振2、四死球2、失点1、自責点1>

「チームの開幕から今日まで時間があって、初回から気持ちが入りすぎて力が入ってしまったところがあった。でも、ショータ(大野選手)がいいリードをしてくれたから、自分の持っているものを出せたと思う。あとはブルペンに任せます。」

栗山語録

「(中田選手について)きょうはあの守備(5回のファインプレー)でしょう。ああいうことをきちんとこなすことが打撃にもつながるんだなと、改めて感じました。中途半端なヒットよりもしっかりバットを振ってください、という中で出た本塁打なので、翔がしっかり前に進んでくれることがうれしいですね。(初登板の)武田久はあれだけ実績がある投手でもなかなか(自身の)開幕しない状態が続いて迷惑をかけましたが、いいスタートを切れて安心しました。(3勝3敗になり)本当に一つ一つ、これで終わるんだという気持ちでどこまでやれるかなんでね。全力をやり尽くし、できることを明日からも精一杯やっていきます」

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