2012.05.17 THU
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広報レポート <聖地のマウンド>

 大粒の雨が甲子園のグラウンドを叩きつけていました。そして、4点リードながら2死満塁の大ピンチ。しかも、タイガースの打者は一発のあるブラゼル選手。とびきりタフな場面で栗山監督が送り出したのは乾選手でした。フルカウントから投じたボールはスライダー。しっかりと腕を振って投げた渾身の1球に、バットは空を切りました。

 マウンドから涼しい顔でベンチに戻ると、ピンチを招いた先発・ウルフ選手とハイタッチ。チームメートからの祝福を受け、ようやく笑みがこぼれました。反撃ムードを断ち切った左腕。「集中してマウンドに上がれました」。記録上はたった1アウトですが、チームに勝利を引き寄せる大きなシーンでした。

 乾選手にとって、甲子園は慣れ親しんだ場所でもあります。高校時代に母校の快進撃を引っ張った経験が生きたピッチングでした。前日、試合前の練習が始まると多くの投手陣が甲子園のマウンドに立ちイメージを作る中で、乾選手はすぐに準備運動に入りました。甲子園のマウンドは分かっている。そんな思いが伝わってきました。

 「来たときは雰囲気を味わいながら投げたいなと思いましたけど、展開が展開だったんで、そんなことは感じられなかった」。負け試合での登板から、大事な場面で投げる戦力に。プロ2年目で確実に成長している左腕は、聖地でまたひとつ階段を登りました。その一段は普通の一段ではないのです。

ウルフ投手 <5回2/3、球数85、打者24、安打3、三振4、四死球4、失点0、自責点0>

「昨日の試合で吉川をはじめピッチャーがすごく頑張っていたから、自分もその流れに続きたいと思って投げた。イヌイが素晴らしいピッチングでピンチをしのいでくれて感謝している。あとはチームが勝つために応援します。」

栗山語録

「(9回裏無死1、2塁となったところで監督自らマウンドへ)ああいう展開で負けるわけにはいかない。高校のときにここを目指して野球をやって、大人になってここでプレーできるという喜びを感じてくれと。甲子園でやっていることを思い出して欲しかったから。増井はあそこでよく踏ん張ってくれた。(代打策など早めに動いたことについて)先に点を取った試合だし、阪神のうしろのピッチャーは簡単に打てるわけがないから、スレッジやホフパワーを使えなかったという状況にしたくなかった。(交流戦連勝スタートに)甲子園が力を貸してくれたんじゃないかな。選手も緊張感を持ってプレーしていたし、感謝したいと思います」

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