2012.05.30 WED
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広報レポート <本来の形に>

 守護神は29日ぶりの1軍マウンドを3者凡退で切り抜けると、頬を思い切り膨らませ、大きく息を吐き出しました。右ひざ痛により戦列を離れていた武田久選手が1-0の9回に登板。持ち場であるクローザーのポジションに戻って最初の機会は、先頭の藤本選手に3ボール2ストライクと粘られながら三振に仕留め、後続を危なげなく打ち取って復帰戦を飾りました。

 「チームの流れを止めるわけにいかないと思うと、物凄く緊張しました」。数々の修羅場をくぐり抜けてきたベテランであっても特別な思いが胸にこみ上げてきたようです。しかし、駒大時代の舞台だった神宮球場が、不安を和らげてくれたのも事実。この日は同い年であり、東都大学リーグで凌ぎを削った武田勝選手と球場入りし「2人でかなり投げ合ったよなぁ」とつぶやき、懐かしい情景に心落ち着かせているようでした。

 打っては左ふくらはぎ挫傷で離脱していた金子誠選手が2回、バットを折りながら左前適時打を放ち、決勝点を叩き出しました。投打の軸が戻ったことでチーム全体が引き締まり、4回に糸井選手がスライディングキャッチを見せれば、5回には田中賢選手が横っ飛びでライナーを好捕。6回2死二塁のピンチでも中田選手が本塁好返球で同点を阻み、守り勝つ本来の姿を甦らせました。

 試合前、宮本選手の2000本安打セレモニーに稲葉選手も加わって、恩師である野村克也元監督から花束を贈られました。祝福ムードに包まれ、その宮本選手に3安打を許す試合展開ではありましたが、試合の主導権だけは最後まで渡さなかったファイターズ。役者が揃い、首位追撃の体勢が整いました。

吉川投手 <5回、球数90、打者22、安打6、三振6、四死球2、失点0、自責点0>

「1回を0点に抑えられたのが大きかったし、本当にバックに助けられました。野手のみなさんに感謝します。」

栗山語録

「いつもそうかも知れないけれど、初回から最終回のように魂というかパワーを出し切った感があります。吉川は「コノヤロー」という内容で、(降板後に)怒りました。賢介のファインプレーや(中田)翔の好返球があり、先発投手にも勝ちがついて、全てに意味のある勝利と言えると思います。復帰した(金子)誠にタイムリーが出て(武田)久が締めたのはファイターズらしさであり、勝ち切ることが大事なんで、これでまた前に進める。(現役時代の本拠地)神宮で1勝というよりも、きょう勝たないとスワローズがガッとくるのは分かっていたので、初回から出し切ろうという思いだけ。とは言えここで1勝できて、明日からまた自分の仕事に集中できると思います。」

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