2012.06.06 WED
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広報レポート <バースデー勝利>

 さまざまな思いが胸にこみ上げていました。8回に打線の奮起で勝ち越してもらうと、9回のマウンドは武田久選手に譲りました。守護神が無失点に抑えてゲームセット。1ヶ月ぶりの5勝目を挙げてお立ち台に向かう際、斎藤佑選手は少し目を赤くしながらこうつぶやきました。

 「長かった…」

 開幕投手を務め、4勝目までは順調に白星を積み重ねてきました。ところが、5月12日の9失点から歯車が狂い始め、交流戦に入ってからは勝ち星なし。この4試合は7回のマウンドに上がることはなく、「長いイニングを投げる」という最大の目標を果たすことができずにいました。特に4回で降板した前回の登板は、調子が上がってきた時点での交代指令。ショックを隠せず、ベンチ裏で呆然とする姿がありました。

 その試合後、栗山監督は「ダメなものはダメと言わないといけない」と厳しい表情で話していました。もちろん、その言葉は“愛のムチ”以外の何物でもありません。どうすれば指揮官の思いにしっかり応えられるのか。必死に考えた1週間。名誉挽回のために設定されたのは、くしくも自らの誕生日に行われる試合でした。

 「絶対点を取ってもらえると信じていた。だから、最少失点でふんばろうと思っていた」。1回に失策が絡んで失点しながらも、直後に追いついてもらってからは粘りました。三振はゼロ。徐々に調子を上げる本来のピッチングで、6回からの3イニングは安打を許しませんでした。

 「最強の24歳になります!」。お立ち台でそう宣言し、2万人を超えるファンの方々からバースデーソングが贈られました。そして、バースデーケーキを前に記念撮影。再び目を赤らめてベンチに戻ると、稲葉選手がひと言。「おまえ、なんでケーキに顔を埋めないんだよ!」。その言葉に斎藤佑選手は「そっか!それができたら最強でしたね」と満面に笑みを浮かべました。苦しみを乗り越え男にとって、最高の誕生日になりました。

栗山語録

「(接戦をものにし)良かったねぇ、良かった。本当に良かった。(斎藤佑のバースデー勝利に)こういう日にマウンドに上がることもすごいし、勝つこともすごい。ああいう球の感じで投げられたら長い回を任せられるし、やってくれると思って開幕を任せた訳で。合格ラインは超えてくれたと思います。野村がいいところにきっちり投げてきて、我慢して戦った中で最後に(金子)誠が出て(田中)賢介が決めてくれた。斎藤を見て思うところが野手の方にもあったと思う。(大敗した)昨日の試合の後が大事になるので、一人ひとり向き合って今日の試合に臨んでくれたことでまた前に進めると思います」

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